手倉森Jブラジル戦完敗もナイジェリア戦へ超前向き
「サッカー・U-23強化試合、ブラジル2-0日本」(30日、ゴイアニア)
リオデジャネイロ五輪に出場するサッカー男子日本代表は7月30日(日本時間同31日)、ブラジル中部ゴイアニアでブラジル五輪代表と強化試合を行い、0-2で敗れた。スコア以上の完敗にも手倉森誠監督(48)は「耐える覚悟を整えられた」と前向きな姿勢を貫いた。日本は試合後、北部マナウスに移動し、4日(同5日)に1次リーグ初戦のナイジェリア戦を迎える。
圧倒的な力の差になすすべはなかった。ユベントス移籍間近の19歳FWガブリエルバルボサにゴールを献上し、FWネイマールのCKから追加点を喫するなど前半で2失点。五輪前最後の実戦は本番に向けた自信を喪失しかねない完敗だった。それでも手倉森監督に悲壮感はない。「耐える覚悟を整えて大会に入っていける」。持ち前のポジティブさに揺らぎは一切なかった。
五輪本大会では「耐えて勝つ」ことをテーマに掲げる。世界の強豪相手に「きれいにうまく勝てるはずはない」。ブラジルの猛攻にさらされ自陣にくぎ付けとなったことで、指揮官は「耐える習慣が得られた」と、絶好の予行演習になったとばかりに前を向いた。
修正すべきは前半の戦い方だ。失点は給水タイム直後とセットプレーで、いずれも一瞬の隙を突かれた。強豪のしたたかさを体感し、手倉森監督は「本大会ではあってはならない。察知力を思い知らされた」と戒めた。
主将のMF遠藤は「我慢強く戦うことはあらためて大事と感じた。それができれば結果は付いてくる」とチームの方向性を再確認した。初戦まであと5日。「きょう感じたものは糧になる。グループ、組織の精度を高めていく。結果は本大会で出したい」と、手倉森監督は勝負師の顔で不敵に笑った。