錦織、日の丸背負い日本五輪史上最長の96年のブランクへ挑戦
リオデジャネイロ五輪テニス男子日本代表のエース、錦織圭(26)=日清食品=が4日、メーンコートなどで練習を行い、「好きな雰囲気」と、好感触を掴んだ。初戦は6日(日本時間6日22時45分開始)にそのメーンコートで、世界ランク33位のラモス(スペイン)との対戦することが決定。世界ランク6位と、押しも押されぬトッププレーヤーとなって帰ってきた3度目の夢舞台。日本勢96年ぶりのメダルへの挑戦が始まる。
錦織はメーンとサブコートで各1時間、ゴフィン(ベルギー)をパートナーにコートの感触を確かめながら汗を流した。年収36億円のトッププレーヤーとなっても、五輪では日本選手3人で2LDKで共同生活。「僕は1人部屋をもらったので、快適に過ごせてます。変な感じだけと。仲のいい3人なので大丈夫。選手村も言われているほど問題はない。食事は当たりに当たってないけど」と、それなりに楽しんでいる様子だった。
組み合わせ抽選では先日のロジャース杯決勝で敗れた世界ランク1位のジョコビッチとは別のブロックに入り、決勝まで当たらない。準々決勝での激突が予想されるモンフィス(フランス)かチリッチ(クロアチア)、準決勝でのマリー(英国)戦がメダルへの大一番となる。
上位選手に欠場が相次ぐ中、出場を決めたのは錦織自身、日の丸を背負うことへの特別な意味を感じているから。「それしかないですね。五輪のテニスに関してはそれがモチベーション」と、キッパリと言い切った。
日本のテニスは、20年アントワープ五輪で、男子シングルスで熊谷一弥(故人)、同ダブルスで熊谷、柏尾誠一郎(故人)が銀メダルを獲得。そのメダルが日本最古のメダルだ。「(8強だった)ロンドンとはランキングでもメンタル的にも格段に強くなっている。メダルの位置に近い。自信を持ってプレーしたい」。日本五輪史上最長の96年のブランク。その空白を埋められるのは、錦織しかいない。