田中佑典“大舞台で弱い”汚名返上 完ぺき平行棒「もうたくさんです」

森泉コーチに4つの金メダルをかけ喜ぶ(右)から白井健三、加藤凌平、田中佑典(手前)、山室光史=リオデジャネイロ(撮影・棚橋慶太)
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 「リオ五輪・体操男子団体・決勝」(8日、リオ五輪アリーナ)

 予選4位だった日本(内村航平、加藤凌平、田中佑典、山室光史、白井健三)は、アテネ五輪以来となる3大会12年ぶり7度目の金メダルを獲得した。予選は得意の平行棒で落下し、アイデンティティーを疑うほど自分を責めたが、決勝では圧巻の演技で15・900点をマーク。鉄棒、つり輪でも安定した演技を見せ金メダルに貢献した。

 「予選が本当ふがいなかったので、もう一回、覚悟を決め直して決勝に臨んでこのできなので。もうたくさんです。いいです」

 そう笑顔で語る田中の目は涙でうるみ、充血していた。予選では15点台半ばから後半が期待されていた平行棒で落下。ロンドン五輪や昨年の世界選手権など、世界大会での落下が多く、大舞台での弱さを指摘する声もあった。

 しかし、2度目の五輪で迎えた団体決勝で、見事に立て直してきた。あん馬で山室が落下し嫌なムードになりかけたが、2種目目のつり輪で14・933点にまとめた。そして圧巻は平行棒。美しい演技姿勢確実に技を決めることで得点を伸ばし15・900点をマーク。鉄棒もミスなく締めて15・166点と、金メダルに大きく貢献した。

 日本テレビ系「スッキリ!!」に出演した、姉で、ロンドン五輪体操女子代表の理恵さんによると、田中は姉に対して「自分自身に腹立たしい」とメールで思いをぶつけたという。平行棒、鉄棒のスペシャリストとして、「自分は何をしにきたんだというのをもう一度考えて、ここで活躍するために、この4年間頑張ってきたというのをもう1度考えて、吹っ切れて決勝に臨みました」と自分を見つめ直して本来の力を発揮した。

 金メダルを手にして、「いろんな人の思いが詰まった金メダルなんで、帰っていろんな人に見てもらいたいです。お待たせしました」。自分自身にとっても「お待たせ」と言える金メダルだった。

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