松永“いばらの道”でつかんだ7位…競歩20キロで日本勢初入賞

 「リオ五輪・陸上・男子20キロ競歩」(12日、ポンタル周回コース)

 男子20キロ競歩は今季世界ランク3位の松永大介(21)=東洋大=が1時間20分22秒の7位に入り、この種目で日本勢初の入賞を果たした。同2位の藤沢勇(28)=ALSOK=は21位、同1位の高橋英輝(23)=富士通=は42位に終わった。女子1万メートルは24歳のアヤナ(エチオピア)が29分17秒45の世界新記録で初優勝し、高島由香(28)=資生堂=は18位、関根花観(20)=日本郵政グループ=は20位だった。

 ゴール後、松永は精根尽き果てたように腰をかがめた。その目には涙がにじむ。うれしくても悔しくてもゴール後に泣く男は「メダルを狙っていたので悔し涙の方が大きいです」と唇をかみしめた。

 初出場の五輪で、スタートから先頭集団の前方に立ち、スタミナ切れを恐れずに引っ張った。終盤は順位を落としたが、日本競歩20キロで初の五輪入賞者となった。

 小2で両親が離婚し、松永は母に引き取られた。姉2人の3人きょうだい。陸上をしたくて一般入試で私立の横浜高に進学した。家計に負担をかけたことに負い目を感じ、大学へは陸上で名を売り、推薦で進学しようと決意。高1で競歩開始後は学校までの片道約4キロを競歩で通った。努力が実り、高3で高校総体と国体の5000メートル競歩で2冠達成。東洋大へのスポーツ推薦を勝ち取った。

 次は実業団からの勧誘を受けるチャンスと位置付けたリオ五輪で、きっちりと名を売った。「日本の(20キロ)競歩界は入賞経験がなかったし、ゴールから時間がたってみると歴史に名を刻めたのかなと思う。入賞を重ねてメダルを狙える位置に行くのがベスト。その第一歩として7位入賞できたのは誇りです」。もちろん第二歩以降も先頭に立つのは松永自身だ。来春には大学卒業。企業数社から誘われているという。実業団選手として迎えるであろう4年後、東京五輪で再び歴史を塗り替える。

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