福原愛、絶対に銅だ!“不運”判定で散り「悔しさをすべてぶつける」
「リオ五輪・卓球女子団体・準決勝、日本2-3ドイツ」(14日、リオ中央体育館)
団体が行われ、女子で2012年ロンドン五輪銀メダルを獲得した世界ランキング2位の日本は準決勝で同9位のドイツに2-3で競り負け、3位決定戦に回った。シングルスの石川佳純(23)=全農=は2連勝したが、福原愛(27)=ANA=と伊藤美誠(15)=スターツ=はダブルスも含めて1勝も挙げられず、目標としていた2大会連続の決勝進出はならなかった。準決勝残り1試合の中国-シンガポールの敗者と16日に対戦する。
3時間56分にわたる大激戦を演じた福原に、まさかの結末が待ち受けていた。第5試合の最終第5ゲーム。9-10でマッチポイントを取られても福原は攻め続けた。魂の強打に相手のハンは体勢を崩されたが、返球は弧を描きながらも卓球台の端に当たる不運なエッジボール。石川らの「台のサイドに当たった無効打ではないか」との抗議も審判は聞き入れない。福原はこの現実を受け入れまいとするように、相手チームが引き揚げても、前にある卓球台を見詰めながらひとり立ち尽くしていた。
「最後の判定まで絶対に諦めたくなかったので、相手選手とも握手をしなかった。握手をしてしまったら、もうそこで負けを認めたことと同じになるので。最後の最後まで、ずっと(判定が覆るのを)待っていました」
ロンドン五輪決勝で中国に敗れてからの4年間。中国を倒しての金メダルを合言葉に努力を重ねてきた。しかし、リベンジを誓って臨んだリオでは決勝に進むことができず、悔しさだけが募った。
15歳のホープ、伊藤は精彩を欠いた。第5ゲームまでもつれたシングルスの第1試合。9-3の大量リードから7連続失点を喫し、10-12で敗れてから流れが一気に変わってしまった。福原と組んだダブルスの第3試合でもミスを連発。試合後は「1番(第1試合)の試合でチームの勝敗が決まってしまった。思い切りよくプレーできず、いい流れを持ってこられなかった」と大粒の涙を流した。
決勝で中国を倒す夢はかなわなかった。それでもまだ3人の五輪は終わっていない。2勝を挙げ、孤軍奮闘したエースの石川は「団体でメダルを持って帰るのは私たちの大きな目標。自分らしいプレーをすれば必ず結果はついてくる」とチームメートを奮い立たせ、福原も「負けの原因は、すべてわたしにある。次はきょうの悔しさをすべてぶつけたい」と言葉に力を込めた。手ぶらでは日本に帰るわけにはいかない。今度こそ絶対に負けられない戦いが待っている。