乾&三井デュエット2大会ぶりメダル射程圏内の予選3位
「リオ五輪・シンクロデュエット・予選」(15日、マリア・レンク水泳センター)
デュエットのテクニカルルーティン(TR)が行われ、2大会ぶりの表彰台を目指す日本の乾友紀子(25)=井村シンクロク、三井梨紗子(22)=東京シンクロク=組は93・1214点で、14日に行われた予選のフリールーティン(FR)との合計を187・5214点として予選3位で決勝に進んだ。銅メダル争いのライバルとなるアナナソワ、ボロシナ組(ウクライナ)は4位通過だが、決勝に得点を持ち越すTRは93・1358点で日本ペアを上回った。決勝は再びFRを行い、TRとの合計で争う。
わずかなほころびが見逃されるほど五輪の勝負は甘くなかった。デュエット予選のFRで波に乗ったかに見えた乾、三井組はTRで上々の93点台をマークしたが、その後演技したウクライナのペアが上を行った。TRの得点のみを持ち越す決勝のFRは、0・0144点の差を追って2大会ぶりのメダル奪還に挑む。
出だしは快調だった。鍛え上げてきた脚技がさえ、まばたきもできないほどの素早さで技を繰り出した。井村監督も「弱々しく見えない丈夫な脚を目指してきた。元気よく演技できた」と評価した。しかし後半、三井は「力みが出た」という。逆立ちの姿勢で水面から脚を出す終盤の規定要素でややふらついた。
観客席から見ていたチーム関係者が「上からは分からなかった」というほどの小さなぶれ。これが響いて、稼ぎどころと言える「完遂度」で日本ペアはアナナソワ、ボロシナ組の28・4000点を下回る28・1000点にとどまった。
予選のFRは日本の2人に、TRはライバルのコンビに軍配が上がった。一進一退の力関係は変わらない。決勝のFRへ三井は「全部出し切りたい」と集中力を高めた。