井村雅代監督 愛弟子の乾、三井から最高のプレゼント受け取り涙

 「リオ五輪・シンクロナイズドスイミング・デュエット・フリールーティン」(16日、マリア・レンク水泳センター)

 デュエット決勝のフリールーティン(FR)が行われ、乾友紀子(25)=井村シンクロク、三井梨紗子(22)=東京シンクロク=組が3位の94・9333点をマークし、4位だったテクニカルルーティン(TR)との合計188・0547点で銅メダルを獲得した。日本勢は2大会ぶりの表彰台。指導する井村雅代監督の66歳の誕生日に、メダルをもたらした。

 愛弟子から銅メダルを掛けられた井村監督は「あの子たちをメダリストにしてあげるのは大変なんですよ」と何度も目元を拭った。

 シンクロが正式種目として採用された84年ロサンゼルス大会から、6大会連続のメダル獲得に貢献した。04年アテネ大会後に退任すると、日本は08年北京大会を最後に五輪と世界選手権を合わせた4大会で表彰台から遠ざかった。

 14年に復帰した井村監督にはメダル奪還が託されたが「プレッシャーはやりがい」と笑い飛ばす。「プレッシャーは、選ばれた人間にしかかけてくれない。だから受けて立ちなさい!!」と選手たちにも強靱(きょうじん)な精神力を求めた。

 長く美しく見える脚づくりにこだわった。「鉛筆の芯のように細く」「針金のように鋭く」と独特の表現で鍛え上げ、厳しい練習は1日12時間にも及んだ。この日の演技直前にも「ウクライナは脚が長い。脚にしっかり力を入れて付け根から動かして『矢印』を出せ!!」と送り出した。

 08年北京と12年ロンドン大会では中国を率いてメダルを獲得するも、傍らで低迷する母国に対して「メダルのない日本は面白くない」と感じていた。2位中国、3位日本と表彰台の3分の2をアジア勢が占めたのは五輪のシンクロでは初めて。「中国に行った時の願いでもあった。次はアジアの国で一番を取りたい」と、日本を頂点に導く日を夢見ている。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

五輪最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    デイリーおすすめアイテム

    注目トピックス