高橋の負けん気が金呼んだ!「コートの中で私が一番うまい」

 「リオ五輪・バドミントン・女子ダブルス決勝」(18日、リオ中央体育館)

 女子ダブルス決勝で高橋礼華(26)、松友美佐紀(24)組=日本ユニシス=がリターユヒル、ペデルセン組(デンマーク)を2-1で下し、全種目を通じて日本勢初の金メダルを獲得した。1-1で迎えた第3ゲームを16-19から5連続得点でものにした。

 「コートの中で私が一番うまい」。高橋の人一倍の負けず嫌いが勝利を呼び込んだ。パートナーの松友にさえ「負けたくない」と対抗心を燃やす。

 練習でコートに立つと、ミスの数をカウントする。ネットの向こうの2人はもちろん、隣にいる10年来の相棒よりも少なく-。「そうしないと自分の力が向上しない」。勝ちたい気持ちは誰よりも強い。

 奈良県橿原市出身。小学生時代から全国に名前を知られる選手だった。「もっと強くなりたい」。そんな気持ちを両親にぶつけたのが6年生の秋。正座して涙を浮かべながら、強豪・聖ウルスラ学院英智中(仙台市)に入りたいと訴えた。

 親も覚悟が必要だった。父昭博さん(53)は「結果が出なくても頑張り通せ。途中で泣いて帰ってきても家には入れないからな」と突き放した。12歳での別れ。昭博さんは「涙に負けました。嫁に出すような気持ちだった」と笑う。

 中学時代は腰のけがに苦しみ、練習もままならなかった。痛みで靴下をはくのもつらい。ただ、帰省しても両親には泣き言を漏らさず、仙台に戻る夜行バスで1人泣いた。今は「勝てない理由をけがに求めていた。それじゃ勝てないよと、昔の自分に言ってやりたい」と振り返る。

 高校3年のインターハイでは、直前に足首の捻挫をして団体戦を欠場。それでもダブルスには意地で出場し、足を引きずりながら優勝した。

 1年後輩の松友は絶対の信頼を置くパートナーであるとともに、最高のライバルでもある。支え合い、競い合って、ついに頂点に立った。

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