シンクロ復活 井村ジャパン、念願ウクライナ撃破で銅メダル

 「リオ五輪・シンクロナイズドスイミング・チーム・フリールーティン」(19日、マリア・レンク水泳センター)

 8人で演技するチームのフリールーティン(FR)で、日本=乾友紀子(25)、三井梨紗子(22)、箱山愛香(25)、丸茂圭衣(24)、中村麻衣(27)、中牧佳南(24)、小俣夏乃(20)、吉田胡桃(24)=が95・4333点をマークし、テクニカルルーティン(TR)との合計189・2056点でデュエットに続く銅メダルを獲得した。4位だったウクライナに0・5976点差で競り勝ち、この種目で3大会ぶりの表彰台に立った。ロシアが合計196・1439点で5大会連続の金メダルを手にした。

 演技を終え、8人が手をつないで固唾(かたず)をのむ。三井は「点数は見ていなくて、順位のところだけ見ていた」と電光掲示板を見つめた。表示された数字は「3」。全員が跳びはね、抱き合って涙する。主将として日本を背負った乾は「本当に幸せ」と泣き続けた。

 チームFRのテーマは「天照大神(あまてらすおおみかみ)」。繁栄の幕開けという思いを込めたプログラムだ。和太鼓など日本らしさをちりばめた曲に乗り、見せ場の大技で、観客と審判員を引き込んだ。演技中盤。拍子木の音に合わせて中村が水面からゆっくりとせり上がる。7人がぐっと力を込めて支え、中村が倒立の姿勢でぴたりと止まると、会場は大歓声に包まれた。

 派手で高いリフトやジャンプが目を引く空中技は、日本の弱点だった。井村監督は「跳び合いをしたら負ける。バラエティーで勝負」と工夫を凝らし、独自色と技術の高さを世界に示した。この日5度、空中技をミスなくこなした中村は「この五輪にシンクロ人生を懸けてきた。集中して、一発に懸けるという思いで跳べた」と誇らしげに語った。

 練習拠点のプールサイドにある白板には「0・0525」と記されている。3月の五輪最終予選で敗れたウクライナとの点差だ。三井は「あの負けから始まった」と語る。

 乾、三井組がデュエットで表彰台に立った16日。選手村でチーム全員がメダルに触れたが、2人以外は首には掛けなかった。「自分のメダルが欲しいと強く思った」と箱山。8人の強い思いが、3大会ぶりの表彰台へと結実した。

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