伊調に国民栄誉賞授与へ 女子個人史上初五輪4連覇偉業を評価

 政府は25日、リオデジャネイロ五輪のレスリング女子58キロ級で金メダルを獲得し、女子個人種目で五輪史上初の4連覇を達成した伊調馨(32)に国民栄誉賞を授与する方向で検討に入った。4連覇の偉業を成し遂げ、国民に感動や勇気を与えたなどと評価した。政府関係者が明らかにした。

 リオ五輪で前人未到の4連覇を成し遂げた伊調に、これ以上ない“ビッグタイトル”が授与される。04年のアテネ、08年の北京、12年のロンドンに続き、リオでも金メダルを獲得。銀メダルに終わった吉田沙保里に代わって“新・霊長類最強”を襲名した伊調にふさわしい賞といえる。

 伊調はこの日、男子グレコローマン59キロ級銀メダルの太田忍(22)とともに、所属先である都内のALSOK本社での凱旋報告会に出席した。出迎えた約300人の社員の前で「金メダルを守り抜くことができて本当に良かったです」とあいさつ。今後については「1人の人間としてこれからどう生きていくかとか、ゆっくり考えていきたい」と語った。

 ファンの間で国民栄誉賞を期待する声もあるという話題には「そんな賞をいただくことになれば光栄ではありますが、自分に似合っていない気もします。国民栄誉賞は記録とかではないと思うし、やはり国民の夢とか希望を与えられる人だと思う。私はまだかなと思います」と謙遜していたが、その後、政府が同賞の授与を検討していることが明らかになった。

 国民栄誉賞は1977年に創設。レスリング界では五輪3連覇を果たした吉田が12年に受賞している。

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