沙羅「足引っ張った」2戦連続団体Vも個人成績5番手…平昌五輪に向け光も
「スキージャンプ・女子W杯」(20日、クラレ蔵王シャンツェ)
今季から導入された団体戦が行われ、岩渕香里(北野建設)勢藤優花(北海道ハイテクAC)伊藤有希(土屋ホーム)高梨沙羅(クラレ)で臨んだ日本が761・7点で、昨年12月の第1戦ヒンターツァルテン(ドイツ)大会に続いて2連勝した。選手層の厚さを見せた日本だったが、今季不調にあえぐ高梨は1回目に93メートル、2回目は89メートルと飛距離を伸ばしきれず、個人成績では全体の5番手、日本選手の中では伊藤に続く2番手だった。2位はスロベニア、3位はロシアだった。
久々に立つ表彰台の頂上でも、心の底からの笑顔は浮かべられなかった。今季から導入された団体戦で2連勝を飾った日本だったが、今季不調にあえぐ沙羅はこの日もやや精彩を欠いた。
「自分のジャンプの内容は良くなかった。チームの皆さんの力でつないでくれたバトンで優勝できた」
1回目に93メートルをマークし、個人成績では2番手につけた。この時点で前日の個人第7戦も制した今季絶好調のルンビ(ノルウェー)は5番手。今季初めて上回れるチャンスだった。
しかし、日本の優勝がほぼ確実な状況の中で迎えた2回目は、失速し89メートル。2回目で最長不倒の95・5メートルを飛んだルンビに抜かれ、全体の5番手で終えた。個人では“表彰台”を逃す結果に「足を引っ張ってしまった」と、日本のエースとして反省しきりだった。
ただ、わずかながら光もさし込んだ。試行錯誤してきた助走姿勢の面で、改善点が見えてきたという。「続けていくことで、テークオフにも厚みが出てくると思う。収穫はあった」と、自らに言い聞かせるようにうなずいた。また、久々に勝利を味わい「あらためて勝つっていいなと思った。これをいい流れにつなげたい」と前を向いた。
21日の個人戦は、3週間後に迫った平昌五輪前の最後の国内大会となる。「特別な思いはある。やっぱり引き締まるし、今日の反省をしっかり生かして、いい形で五輪に入っていけるようにしたい」。復活を予感させる大ジャンプを披露し、夢舞台へ飛び立つ。