宇野昌磨 SP首位発進 “鬼門”4回転トーループ決めた! 圧巻100点超え
「フィギュアスケート・四大陸選手権」(25日、台北)
欧州以外の国・地域が参加して行われ、男子ショートプログラム(SP)は平昌五輪代表の宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=が100・49点で首位に立ち、田中刑事(23)=倉敷芸術科学大大学院=は90・68点で3位につけた。26日の女子フリーへ向けた公式練習に参加した五輪代表の宮原知子(19)=関大=は左足甲に軽度の炎症を抱えていることが判明。ただ大事には至らず、練習では好調を印象付けた。アイスダンスは五輪代表でショートダンス(SD)2位の村元哉中、クリス・リード組(木下グループ)がフリーで3位となり、合計163・86点で3位。同種目で日本勢初の表彰台に立った。
大人の男の顔だった。昨年12月に二十歳になった宇野が、圧巻の首位発進。曲が鳴りやむ瞬間までは、かつて見たこともないような鋭いまなざし。しかし、フィニッシュのポーズを解くと、途端に普段の柔らかな瞳に戻り、安堵(あんど)の表情で一息ついた。
冒頭の4回転フリップを成功。後半の4回転-3回転の連続トーループは2つ目が2回転になったが、その他は大きなミスなく見事に演じきった。
今季、宇野は初戦のロンバルディア杯を除く全ての試合で4回転トーループを失敗。宇野自身が「一番ネックだと思ってる」と語る“鬼門”だった。
しかし本来は「練習で9割くらい跳べている」という4回転の中で成功率が最も高いジャンプだ。余裕を持って跳べるからこそ、100%で跳ぶと回りすぎ、力を抜くと跳べなくなる。試合ではアドレナリンが出て力みやすいため、より力加減が難しいという。
公式練習中も、コンビネーションを含め7度連続で4回転トーループに挑むなど、集中特訓。「疲れていても跳べるように練習してきた」と語るほど練習を積んで今大会に臨んでいる。
連続ジャンプは2回転になったが、まずはSPで成功。「丁寧にいきすぎたのがこのSPの課題。フリーではもっと強い気持ちで頑張りたい」。フリーで最高の演技を見せ、五輪のメダル獲得につなげる。