坂本逆転V!会心演技で自己新「全部出し切った」宮原に勝った

 「フィギュアスケート・四大陸選手権」(26日、台北)

 欧州以外の国・地域が参加して行われ、平昌五輪女子代表の2人に明暗が分かれた。ショートプログラム(SP)2位の坂本花織(17)=シスメックス=がともに自己ベストとなるフリー142・87点、合計214・21点をマークし、逆転優勝。SP1位の宮原知子(19)=関大=はジャンプで転倒し3位に終わった。2位には三原舞依(18)=シスメックス=が入り、2013年の浅田真央、鈴木明子、村上佳菜子以来5年ぶりに日本女子が表彰台を独占した。また27日に行われる男子フリーに向け、SP1位の宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=が練習リンクで調整した。

 力強く振り下ろしたガッツポーズに充実の色がにじみ出ていた。坂本が自己ベストを更新する会心の演技を見せ、エース宮原を逆転して初優勝。「全部出し切った。表彰台のてっぺん目指して頑張ろうって思っていたので、うれしかった」とニコニコの笑顔が枯れることはなかった。

 「(緊張で)足がガクガクだった」と言いながらも、冒頭の連続3回転から次々とダイナミックなジャンプを成功。スピンで取りこぼしがあった以外は完璧な演技を披露した。表彰台の真ん中からの見慣れない景色に「どこ見たらいいんやろう」とキョロキョロ目を泳がせる場面もあったが、堂々と日の丸を掲げて見せた。

 昨年3月に同会場で行われた世界ジュニアでは3位に入ったが、ジューシーすぎる小籠包を食べて胃もたれ。今大会中はここまで“封印”してきただけに「食べに行きたいです」。優勝した自分へ、ささやかなご褒美をあげる予定だ。

 スケートアメリカ、全日本選手権、この大会と3戦連続で210点の大台を超え「ちょっとだけ自分を褒めようかな」と坂本。五輪へ向け、勢いは加速の一途をたどっている。

 練習の不調で涙を流し、うおのめの痛みに耐え、山あり谷ありを乗り越えてつかんだ頂点。「自分にとってたくさんいいことを経験できた。五輪でも自信を持って臨みたい」。年明けには、五輪の目標は「1桁」と話していたが、上昇気流に乗る坂本にもう怖いものはない。若干答えを渋りながらも「じゃあ…片手(5位以内)で」。目標を上方修正し、勢いそのまま夢舞台を駆け抜ける。

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