宇野昌磨 収穫2位締め SP首位から逆転許すも「安心した。うれしかった」
「フィギュアスケート・四大陸選手権」(27日、台北)
欧州以外の国・地域が参加して行われ、平昌五輪代表で男子ショートプログラム(SP)首位の宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=はフリー2位の197・45点にとどまり、合計297・94点で2位だった。SP2位の金博洋(中国)が300・95点で逆転優勝した。五輪代表でSP3位の田中刑事(倉敷芸術科学大大学院)は260・31点で4位に順位を落とした。無良崇人(洋菓子のヒロタ)は225・41点で12位だった。
やり切った。演技後、すがすがしい表情を浮かべた宇野は両膝をつき、氷の上に崩れ落ちた。演技冒頭の4回転ループは回転不足の判定を受け、続く4回転サルコーで転倒。完璧には遠い演技だったが「安心した。うれしかった」と“まさか”の一言を発し、笑顔を見せた。
ミスが出た2つのジャンプは「失敗の可能性が高いので、成功でも失敗でも忘れて後半にいこうと思っていた」という。あくまで「ジャンケンに負けた感じ」。引きずる意味もなかった。
課題は演技後半の4回転トーループ。開き直って後半に臨み、2本とも成功させた。「失敗しても立て直す練習をしてきたし、試合で後半にトーループを決められた」。五輪用のジャンプ構成での初試合であり、最後の実戦の場。ミスや逆転優勝を許したこと以上に得られたものは大きい。
からし色の生地にゴールドのラメが施された新たなコスチュームに、髪はオールバック。“イメチェン”で臨み、悪い流れを払拭(ふっしょく)したが、本人は「(髪形は)気に入っていません。色も青の方がいいかな」。五輪もこれまで着続けてきた青の衣装で臨む可能性が高いという。
「求める演技はまだ上なので達成感はないけど、ホッとした。これがスタート地点」。樋口コーチは「今回はまあまあ合格かな」と及第点をつけた。初戴冠という結果は残せなかったが、最低限の成果は出した今大会。五輪への加速につなげてみせる。