美帆5位「悔しい」 メダルは“本命”1500メートルで!

 「平昌五輪・スピードスケート女子3000メートル」(10日、江陵オーバル)

 日本勢のメダル第1号が期待された女子3000メートルの高木美帆(23)=日体大助手=は、4分1秒35で5位だった。自身の低地ベストを更新したが、上位陣には及ばなかった。佐藤綾乃(21)=高崎健康福祉大=は4分4秒35で8位に入り、菊池彩花(30)=富士急=は4分13秒25で19位に終わった。表彰台はオランダ勢が独占し、カレイン・アクテレークテが3分59秒21で優勝。前回覇者イレイン・ブストが0秒08差で2位、アントワネット・デヨングが3位だった。

 帰ってきた夢舞台は瞬く間に通り過ぎていった。8年分の思いを一蹴り一蹴りに込め、同走選手の背中を必死に追った高木美だが、差は縮まらず。低地ベストを更新しながら結果は5位。両膝に手をつき、なかなか顔を上げられなかった。「メダルを狙っていたので取れなかったのは悔しい」と唇をかんだ一方で「悔いの残るレースをしたとは思ってない。この舞台で表彰台に乗る力がなかったと受け止めています。4分を切る力はまだなかった」。完敗だった。

 バンクーバー五輪代表の座を射止め「シンデレラガール」と騒がれたのは8年も前のこと。4年前のソチ五輪代表選考会では切符を逃した。振り返って感じたのは、姉・菜那ら出場できた選手とできなかった自分との思いの『差』。五輪は中途半端な覚悟で立てる場所ではない。「スケートに全てを懸ける」と決めてこの4年を過ごした。

 スタート地点に立っても「特別な気持ちはなかった」。4年間の歩みを信じられたからこそ、驚くほど冷静だった。「ここへ向けてどの大会よりも集中して仕上げる努力はしてきた。8年前はそれができなかったので、全然違う大会だと思う」。氷の神様に導かれるかのようにトントン拍子で夢舞台をつかみ、あどけない笑顔を振りまいた15歳の少女は、凛(りん)とした23歳のアスリートへと成長した。

 12日には今季無敗の1500メートル、14日には小平奈緒(相沢病院)との一騎打ちが予想される1000メートルが待ち受ける。世界記録を次々に更新した団体追い抜き(19日予選、21日決勝)も金メダル候補だ。「あと3種目もチャンスがあるのはありがたい」と高木美。ここからが本当の勝負だ。

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