羽生「連覇したい」いよいよ韓国入り 「どの選手より勝ちたい気持ちある」

 フィギュアスケート男子の世界王者で14年ソチ五輪金メダリストの羽生結弦(23)=ANA=が11日、韓国・仁川国際空港に到着した。右足首を負傷した昨年11月のNHK杯公式練習以来、約3カ月ぶりの公の場。痛めた右足を気にするそぶりは一切なく、力強く到着ロビーを歩いた。報道陣やファンら約100人が押し寄せ空港は一時騒然となったが、羽生は66年ぶりの五輪連覇へ、力強く意気込みを語った。

 時折見せる笑顔からも自信の色がにじんでいた。爽やかに日本代表の公式スーツを着込んだ羽生は、晴れやかな表情で韓国入り。力強い足取りで、決戦の地へと降り立った。

 悲劇は昨年11月9日。4回転ルッツの着氷時に転倒して右足首を負傷した。それから94日。「陸上のリハビリや治療を必死にやってきた」とできることと懸命に向き合った。もちろん「出られない試合もたくさんあったし、もどかしい気持ちもたくさんあった」。心中穏やかであるはずはない。悔しさ、はがゆさ、もどかしさ。そして沸々と湧き上がってきたのが闘志だった。

 「団体戦も見ていたけど、どの選手よりも勝ちたい気持ちは強くあるし、どの選手よりもピークまで持っていける伸びしろはたくさんある。しっかり頂点を追いながら頑張りたい」。復帰戦となる16日のショートプログラム(SP)へ向けて状態をさらに高め、秘めたる思いを爆発させられれば、きっと視界は開ける。

 「五輪連覇」という野望に対しても、思いを隠すことはしなかった。連覇への自信を問われた羽生は「もちろんそういう気持ちは少なからずある。自分の気持ちにウソをつかないなら、やはり2連覇したい」と真っすぐ前を見据えて宣言。一方で「それだけが目的ではない。試合というものをしっかり感じながら、自分の演技を出しながら、この五輪を感じたい」とも口にした。

 4年前はミスもあり、あくまで不完全燃焼の「悔しい」金メダル。この4年間、どんなに壁にぶち当たっても、最高の輝きだけを追い求めて走ってきた。その思いをぶつけるときが来る。「試合の場に来られてうれしい」と羽生。王者がついに五輪の舞台に舞い戻る。

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