沙羅“銅”「まだ金をとれる器じゃなかった」 22年北京で金目指す
ノルディックスキー・ジャンプ女子で4年前のソチ五輪の雪辱を果たし、日本女子初のメダルとなる銅メダルを獲得した高梨沙羅(21)=クラレ=と、フリースタイルスキー・モーグル男子で日本男子初の銅メダルを獲得した原大智(20)=日大=が13日、快挙から一夜明けて平昌のジャパンハウスで会見した。歴史に名を刻んだ2人はともに22年北京五輪での金メダルに意欲を燃やした。同日夜にはメダルセレモニーに出席し、輝くメダルを手にした。
元気いっぱいに表彰台に飛び乗り、メダルを掛けてもらうと、満面の笑みが咲いた。会心のジャンプで日本女子ジャンプ初のメダルをもぎ取った感動の夜から1日。手にしたメダルに「メダルの重さだけじゃなく、たくさんの人たちの思いが詰まっている重さ。重いです」と、ようやく成し遂げたことの実感が湧いてきた。
大忙しの1日だった。朝に行われた記者会見では会見場に入る前、沙羅は立ったまま、船をこいでいた。競技後はドーピング検査があったため、宿舎には戻ったのは午前3時。「寝ずにきました」。眠さは限界。それでも今までにない心地よい疲れだった。
悲願の金メダルには届かず「今はホッとした気持ちと悔しい気持ちが半々」と、100%満足はしていないが、「(4位に終わった)ソチ五輪の悔しい気持ちをバネにして練習に励んできた。最後に自分を信じて、納得いくジャンプが飛べた」。あれが現時点での完全燃焼だった。
メダルを最初に掛けてあげる人は?と問われると「コーチである父に。こうしてメダルが取れたのも、家族の支えがあって。お父さんとお母さんに掛けてあげたい」と、笑顔で話した。そして、“次”への新たな思いも芽生えた。「この銅色のメダルを金色に変えられるように、また4年かけて頑張ろうという気持ちになれた」。世界の頂に着地するまで、沙羅は飛び続ける。