小田卓朗が5位 男子1500mで日本勢の入賞は5大会ぶり
「平昌五輪・スピードスケート男子1500メートル」(13日、江陵オーバル)
男子1500メートルが行われ、小田卓朗(25)=開発計画研究所=は1分45秒44で5位に入った。この種目で日本勢の入賞は5大会ぶり。ウイリアムソン師円(22)=日本電産サンキョー=は1分46秒21で10位、中村奨太(24)=ロジネットジャパン=は1分47秒38の24位だった。キエルド・ナウシュ(オランダ)が1分44秒01で優勝した。
スピードスケート男子1500メートルで日本の選手が入賞するのは1998年長野大会の野明弘幸以来。5位と大健闘した小田だが、笑顔はなかった。本気でメダルに挑み、3位とは0秒51差。涙をこらえ「あと少しでした」と声を震わせた。
同走は金メダルに輝いたナウシュ。最高の相手に「こんなチャンスは何度とない」と燃え、必死で食らいついた。しかし、どんどん背中が離れていく。圧倒的な差を突きつけられ「ここまで遠いのか」と肩を落とした。
山形中央高3年でW杯代表に入り、注目された。ただ優しい性格で欲がなく、山形中央高の椿央監督は「本当に勝負できるのか」と心配していた。大学に進学後は不安が的中し、伸び悩んだ。しかしナショナルチームに入って才能が磨かれ、今季は1500メートルと1000メートルで日本記録を更新した。
25歳にして初めて立った五輪のリンクで、競技者としての欲や本能をむき出しにした。「この悔しさを全部まとめて1000メートルにぶつける」。普段は物静かで、ぼそぼそと話す男がきっぱりと言った。