平野歩夢 世間の大反響「結果よりうれしい」

帰国後のセレモニーで花束を受け取るスノーボードHPの平野歩夢(左)=羽田空港(撮影・開出牧)
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 平昌五輪スノーボード男子ハーフパイプで2大会連続の銀メダルを獲得した平野歩夢(19)=木下グループ=が16日、羽田空港着の航空機で凱旋(がいせん)帰国した。殺到した報道陣や、到着ロビーに居合わせた多くの一般ファンから祝福されたことを受け、「こうやって皆さんにいい影響や刺激を伝えられたことが結果よりも1番うれしい」と誇らしげにほほえんだ。

 「Xゲーム」で優勝するなど既にプロとして活躍する平野にとって、五輪は全国の人々にスノーボードを周知するための“別ベクトル”の大会だった。「1番はスノーボードの影響力が大きくなることで、その可能性は実感している。五輪は注目度が一番高いし、それを目指すにはいろいろと失わないといけないが、全ての人に刺激や感動を与えられる」。だからこそ今回獲得した銀メダル以上に、試合を見た多くの人からの反響が何よりの収穫だった。

 今回の王者ショーン・ホワイト(米国)との名勝負は日本中に感動を与えた。一方で、国内ではまだまだマイナー競技だ。「テレビで報じられるのはサッカーや野球がほとんど。でもスノーボードがそれを上回れる可能性はゼロじゃないと思う」と話し、「スノーボードがいい形で報道されることで、競技人口が増えてほしい。そのためには、自分がイヤで面倒くさいことでも、他の人のためにも表に出なきゃいけない機会もあると思う」と“広報役”として多方面に出撃する考えを示唆した。

 裾野を拡大するためにも、常にオリジナルでカッコイイ自分であることが大前提だ。「自分の描いている夢やストーリーで、インパクトのある人生を送りたい。他の人が考えないことをやって、可能性のないものも可能にしていきたい」。

 それはスポーツの分野にとどまらず、カルチャーやビジネスなど多方面での挑戦も含意している。「競技との両立は難しいが、スノーボード以外にもできることを2個も3個も求めている。そういう意味で誰もやってないことをやってみたい」。具体的なアイデアの1つとしては「大きな大会を主催してみるとか」と腹案を明かした。

 競技面では、決勝2本目で成功した「ダブルコーク1440」2発を超える構成のプランも練っており、「自分はできるだけ限界を目指して、皆さんに伝わればいい」と飽くなき向上心を示した。

 「スノーボードでも今以上の自分になれるチャンスがまだまだある。人がマネしようとしてもマネできないことは難しいし、誰かを見習ってできるわけじゃない。自分が初めてやることは大きなケガをするリスクもあるし、精神的にも削られる。勇気のある人生になると思う」

 スノーボードの話は必然的に、自身の生き方の話になっていた。

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