「平昌五輪・フィギュアスケート男子・ＳＰ」（１６日、江陵アイスアリーナ）

　ショートプログラム（ＳＰ）が行われ、前回２０１４年ソチ五輪の金メダリストで昨季の世界選手権覇者、羽生結弦（２３）＝ＡＮＡ＝が自身の世界歴代最高点に１・０４点と迫る１１１・６８点をたたき出し、圧巻の首位発進を決めた。右足首の負傷を経て１１８日ぶりの復帰戦で、ほぼ完璧な演技を披露。６６年ぶりの連覇に向け、強い決意で１７日のフリーに臨む。ハビエル・フェルナンデス（２６）＝スペイン＝が２位、宇野昌磨（２０）＝トヨタ自動車＝が３位につけた。

　元世界王者のフェルナンデスが、同門の羽生に負けじと完ぺきな内容でＳＰ「チャプリンメドレー」に乗り、喜劇王を演じ切った。得意なコミカルな振り付けに加え、投げキスで観衆を魅了。自己ベストに迫る１０７・５８点で、羽生と４・１０点差の２位。逆転優勝を射程圏に入れた。

　「本当にうれしい。みんなの前で驚くほどいい演技ができた」と、満面の笑み。交際関係からの破局が噂されている“元カノ”安藤美姫さんもツイッターで「サルコーはピカイチ。メダルへの強い気持ちが表れた」と、絶賛する滑りだった。

　ソチ五輪では４位に終わったが「あの時とは全然違う。４年間経験を積んできた。２度も世界王者になった。別人だよ」と、積み重ねてきたことに自信を持っている。

　フリーは羽生との金メダル決戦。「ユヅは驚くべきスケーターだ。彼を倒すのはとってもハードだよ」と笑いつつ、「２６歳だし、これが最後の五輪になると思う。もうそんなに長く続けられない。ハッピーで終わりたいね」と、頂点への決意を込めた。