宇野、銀も「他の試合と違い感じない」 新人類?「羽生選手には特別なんだろうなと」
「平昌五輪・フィギュアスケート男子・FS」(17日、江陵アイスアリーナ)
SP3位の宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=はフリーで202・73点、合計306・90点をマークし、初の五輪で銀メダルを獲得した。「羽生選手に勝ちたいという気持ちはあった」と本音を漏らしながらも、冒頭の4回転ループで転倒したことで頭を切り替え、残る要素を演じ切った。また、銀メダルを手にしてからも「他の試合の銀メダルとはあんまり違いを感じなかった」と心境を表現した。
宇野は冒頭の4回転ループを転倒してしまい、立て直しを迫られた。しかし、続く4回転フリップを成功させると、4回転トーループ-2回転トーループの出来栄え点による減点はあったものの、残るジャンプの要素を無難にまとめた。「悪い中でワンミスに抑えられる練習をしていたのが、本番で生きた」という準備と精神力の強さが結果に結びついた。
羽生の得点を見て、「ノーミスして完璧なら1位かな」という計算はしていたという。ただ、いきなり転倒が出てしまい「笑いました」と振り返るのが宇野らしいところ。「一つ目で失敗して、あとは自分のことだけ考えようと(思った)」と、開き直った。
銀メダルを得て笑顔を見せてはいたが「樋口先生が今までで1番喜んでくれたので、それはすごく嬉しかった」と樋口美穂子コーチへの思いが、自分の喜びに勝った。「僕にとって五輪の銀メダルは他の試合の銀メダルとはあんまり違いを感じなかった」と正直に語り、連覇に涙を流していた羽生を見ても「羽生選手にとって特別なんだろうなと思っていた。でも僕は五輪だけを目指していたわけではないので」とマイペースぶりが際だった。
メダリスト3人で抱き合った時も「英語なので(会話は)分からなかった。なんで泣いてるのかな、同じクラブだからかな、ハビエル選手が現役長くないからかなと思っていた」。4年後の北京五輪についても「先のことはあんまり考えないタイプなので、これから先何が起こるか分からない」と多くは語らなかった。