国際スケート連盟理事・平松純子さんが坂本にエール!神戸から54年ぶり
「平昌五輪・フィギュアスケート女子・SP」(21日、江陵アイスアリーナ)
フィギュアスケート女子で初出場の宮原知子(19)=関大=と坂本花織(17)=シスメックス=が20日、21日のショートプログラム(SP)へ向けて会場の江陵アイスアリーナでの公式練習に参加した。
神戸出身のフィギュアスケート選手の五輪出場は、1960年スコーバレー大会、64年インスブルック大会代表の平松純子さん(旧姓上野)以来54年ぶりとなる。現在、国際スケート連盟理事を務める平松さん(75)が、同郷の後輩の坂本へエールを送った。
平松さんの初五輪は坂本と同じ高校2年生だった。「すごく奇遇よね」と平松さん。戦後初のフィギュア代表として、日本代表初の女性旗手も務めた。「五輪に行きたいと思って、そのためには何でも犠牲にできた」。夢舞台の記憶は「何年たっても鮮明」だ。「とにかく幸せでした」と笑みがこぼれた。
あれから54年。「ずっと神戸から出てほしいなと思っていた。そばで見られるのはすごくうれしい」。昨季四大陸選手権女王の三原舞依を含め、神戸から世界で戦える選手が育ってきたのは練習環境が大きいという。
選手強化のため、平松さんは通年リンクの開設や環境整備に尽力してきた。13年に通年リンクの「ひょうご西宮アイスアリーナ」がオープン。シーズン中は尼崎や2人の拠点であるポートアイランドもリンクができる。
平松さんは引退後も72年札幌五輪のテレビ解説に始まり、88年カルガリー五輪の審判、98年長野五輪の招致や審判員宣誓など冬季五輪と関わり続けてきた。20年東京五輪に対しても、競技の枠を超えて招致委員会に出席。今大会も理事として現地観戦する。「いろんな立場で五輪に関われるのは幸せ」。何度も五輪を見てきたからこそ、坂本には自分らしい演技を望んでいる。
「憧れていた場所で、4年に1回しかない舞台。プレッシャーを感じない人はいないと思うけど、スピードがあって、パワフルで、ジャンプの質がいいという自分の良さを、のびのびと発揮してほしい」。54年ぶりの神戸代表の躍進は、平松さんの悲願だ。