羽生「いつか5回転やってみたい」 五輪閉幕後も興奮冷めず、各所でユヅフィーバー!
平昌五輪のフィギュアスケート男子で2連覇を達成した羽生結弦(23)=ANA=が27日、都内で日本選手団の解団式、ファンを前にした帰国報告会に出席後、日本外国特派員協会、日本記者クラブで会見。2022年北京五輪やクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)を超える5回転への意欲を語った。文部科学省訪問、所属先での報告会など朝から夜まで分刻みのハードスケジュールをこなし、各所で“ユヅフィーバー”を巻き起こした。
東京ミッドタウンの屋外会場で行われた日本選手団の帰国報告会。最前列は朝10時半のイベント開始のため、前夜10時から場所取りをしていた羽生ファンの女性だった。約5000人の熱視線が最も集まったのも、もちろん羽生。解団式後は2つの報告会に2つの記者会見、夜はテレビ局と息つく間もなく行事をこなす帰国フィーバーに追われた。
それでも疲れた顔一つ見せずに「皆さんの笑顔が幸せ」と言い切る23歳。そのポジティブな思考は、まだ痛む右足を抱えながらも2連覇の先を見据えていた。
日本外国特派員協会で5回転ジャンプについて聞かれ「挑戦できるならしてみたい。5回転半は難しいと思うが、小さい頃からコーチに5回転をやれと言われていたので、やってみたい気持ちはある」と、現実的な目標として見据えた。また、日本記者クラブでフィギュアスケートの未来について問われ、「5回転や4回転半が今のトリプルアクセル(3回転半)のように主流になることはこの先50年はないと思う」としながらも「もし羽生結弦が4回転半や5回転を試合で入れるとしたら、確実に表現の一部にします」と言い切った。
10年バンクーバー五輪で4回転を回避してプログラム全体の完成度を高めるか否かの“4回転論争”が起こったように、技の難易度が上がるたびに表現や芸術性とのバランスは注視されてきた。しかし、羽生は「難易度と芸術のバランスは本当はないんじゃないかなと思う。芸術は絶対的な技術力に基づいたものだと思います」と言い、「僕のスタイルはそこ」と、あくまで高度な技と芸術性を両立させていく意向だ。
22年北京五輪についても少しずつ輪郭が見えてきた。これまでどおり「頭の中では未定」とした上で「今できることを一生懸命にやって、その延長線上に北京五輪があり、もし出るなら絶対に勝ちたいと思っている」と明言した。
昨夏、今季の座右の銘として掲げたのは「今を貫け」という言葉。「羽生結弦」を貫いた先。そこには再び日本中を驚かせる壮大な夢が広がっている。