「北京五輪・ノルディックスキージャンプ・女子ノーマルヒル・決勝」（５日、国家スキージャンプセンター）

　１８年平昌五輪銅メダリストの高梨沙羅（２５）＝クラレ＝は１本目で９８・５メートル、２本目１００メートル（Ｋ点９５メートル、ヒルサイズ１０６メートル）で合計２２４・１点の４位に終わり、２大会連続のメダルはならなかった。３度目の五輪で頂点を逃した高梨は「もう私の出る幕はないのかも」と話し、今後の進退について明言を避けた。ウルサ・ボガタイ（スロベニア）が２３９・０点で金メダルを獲得した。

　繊細なアプローチが求められ、不安定な突風が吹きすさぶ新設のジャンプ台。日を追うごとに高梨に迷いが出た。初日の公式練習ではトップの飛距離を２度マークするなど好調だったが、２日目以降、ライバルの欧州勢が対応していく中で、調子を落としていった。初日で固めたはずの道具が、２日目にはまったく合わなくなった。「毎日色んな方向から風が吹いている中で、なかなか道具も絞りきれず、定まっていなかった自分もいたと思うので」。氷点下２０度近い凍てつく突風に、ジャンプの力強さを奪われた。

　銅メダルだった１８年平昌五輪後、「何かを変えないと世界についていけない」と、自らのジャンプを一から組み直す決断を下した。勝てない時期も経験した。ただ、Ｗ杯３勝を挙げた昨季から完成形も見えていた。

　だからこそ、この結果がショックだった。「私は頑張って当たり前だったと思います。ただやっぱり、頑張っても結果を残せなかったら意味がないので。私の頑張りは足りなかったんだと思います」。瞳には涙がにじんだ。

　７日には今大会初採用となる男女混合団体がある。ただ、その先は…。「今の所はちょっと分からないです。でもとりあえずというか、次自分のやるべきことはミックス戦（混合団体）でしっかり自分の仕事を果たすことだと思っているので」。自らに言い聞かせるように話した。