高梨沙羅がインスタで混合団体失格を謝罪「皆の人生を変えてしまった」自身の進退も検討する意向
7日に行われたスキージャンプ男女混合団体で、1本目のジャンプがスーツ規定違反により失格となった高梨沙羅(25)=クラレ=が一夜明けた8日、自身のインスタグラムを更新し、「今回、私の男女混合団体戦での失格で日本チーム皆のメダルのチャンスを奪ってしまったこと、そして、今までチームを応援してくださった皆様、そこに携わり支えて下さった皆様を深く失望させる結果となってしまった事、誠に申し訳ありませんでした」と謝罪した。
「私の失格のせいで皆の人生を変えてしまったことは変わりようのない事実です。謝ってもメダルは返ってくることはなく、責任が取れるとも思っておりませんが、今後の私の競技に関しては考える必要があります。それ程大変なことをしてしまった事深く反省しております」と自らを責め続け、自身の進退についても検討する意向を示した。5日の女子ノーマルヒルで4位に終わった際には、「もう私の出る幕ではないのかな」と発言していた。
さらに高梨は「そして、私のせいでメダルを取れなかったにもかかわらず、最後の最後まで支え続けてくれた有希さん、幸椰さん、陵侑、そして日本チームのメンバーの皆様、スタッフの皆様には感謝してもしきれません。こんな私を受け入れてくれて本当にありがとうございました。この度は本当に申し訳ありませんでした。高梨沙羅」とチームメートに感謝した。
試合では高梨の1本目の得点が入らなかった日本だが、執念の追い上げをみせ、メダルには届かったものの合計836・3点で4位となった。女子個人のメダリスト2人を擁するスロベニアが1001・5点で初代王者に。2位にはロシア五輪委員会、3位はカナダが入った。
先陣を切って登場した高梨が1本目で103メートルの大ジャンプ。2位につけ、幸先のいいスタートを切ったかに思われた。しかし、事態は暗転。ジャンプ後、ランダムに選出される検査で、スーツ規定違反と判定され、得点が取り消され失格。「ごめんなさい、本当にごめんなさい。自分のせいだ、自分のせいだ」。関係者に支えられながらも、時折歩けなくなり、しゃがみこんだ。自らを責め、泣きじゃくり、控え室へと向かった。
それでも、1本目で高梨のほかに2カ国に失格が出たため、日本は8位で2本目に進出。落ち込む高梨を小林陵、佐藤、伊藤が励ました。「大丈夫だから。最後まで何が起こるか分からないよ」。その声に高梨は前を向いた。「最後まで飛びます」-。
心は乱れたままのはずだ。それでも高梨は飛んだ。2本目、K点を越える98・5メートルの好ジャンプ。着地を決めると、また涙が溢れ出て、うずくまった。結果はメダルには届かなかった。それでも、人々の心に刻まれる魂のジャンプだった。