金メダルの平野歩夢を“レジェンド”ショーン・ホワイトが抱擁 二人の世界が広がる
「北京五輪・スノーボード男子ハーフパイプ・決勝」(11日、雲頂スノーパーク)
日本代表・平野歩夢(23)が3回目の試技を行い、逆転で悲願の金メダルを獲得した。五輪初の「トリプルコーク1440」を組み込んだ構成を成功させ、96・00の高得点をマークした。
金メダル獲得後、歩み寄ったのはライバルであり“レジェンド”ショーン・ホワイト。自身は4位でメダルに届かなかったが、平野歩の両ほほを触りながら、笑顔で声をかけた。平野歩も感無量の表情を浮かべた。
ホワイトは「歩夢の滑りを見て、本当に良かったと思った。ここで応援できることを誇りに思う」と祝福。平野歩は「ショーンも相変わらずチャレンジし続けて、最年長で僕には経験できないことを見せてくれ、刺激的。彼にとっても、かなり大きいチャレンジだったと思う」と敬意を示した。
スノーボードで2度の五輪出場の経験があり、スタジオで解説を務めた中井孝治氏は「あの光景を見て、歩夢に金メダルを獲ってほしかったんんじゃないかな、と僕は思います」と語った。
ホワイトは過去3度の五輪で金メダルを獲得。平昌五輪では日本代表・平野歩夢との超ハイレベルな争いを制し、王者の強さを見せつけた。膝や腰に古傷を抱え、北京五輪を最後に現役引退することを表明している。
競技後、あらためて「スノーボード、ありがとう。私の人生でした。旅のようなものだった。このスポーツの行く末が楽しみでなりません」と語った。