日本連盟が高梨失格問題で声明「ルール明確化へ検討」も「選手、スタッフのケア最優先に」
全日本スキー連盟は11日、北京五輪ジャンプ混合団体で高梨沙羅(25)=クラレ=の1本目のジャンプがスーツ規定違反により失格となったことについて、日本選手団を通じて声明を発表した。
勝木紀昭会長名で「本連盟の選手がジャンプスーツに関するルール違反により失格になったことは、誠に残念であります」とした上で「関係者に事実確認を行った上で、今後、ルールを明確にする事に対して検討を始めるものの、現時点では、全ての選手、スタッフのケアを最優先として注力することが最重要と考えております」と、騒動の最中で戦う選手たちのバックアップを優先する意向を強調。「また、現在も試合に臨んでいる選手が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、本連盟一丸となって全力を尽くしております。本連盟は選手に最良の環境を提供できる様、努めてまいります。引き続き選手への温かい応援をお願い申し上げます」とつづった。
混合団体を巡っては、高梨のほか、ドイツ、オーストリア、ノルウェーの計5人の女子選手がスーツ規定違反で失格となった。スーツの太もも回りが規定より2センチ大きいとして失格となった高梨は、全日本スキー連盟のヒアリングに飛躍後の検査で通常はスパッツをはいたまま太ももを測定されるが、違反となった際にはスパッツを脱がされた、腕も通常は体から30センチほど離した位置まで広げて検査を受けるが、万歳するように求められた、など通常とは違う検査方法で行われ、やり直しを求めたが、受け入れられなかったと話しているなど、検査方法への疑問などから世界中で波紋を呼んでいる。
全日本スキー連盟は五輪後に国際スキー連盟(FIS)に検査方法の在り方について意見書などを提出する方針。高梨はメダルを逃した責任を感じ、自身のインスタに謝罪とともに、進退を検討する可能性を示しており、精神状態が心配されている。