森重航が銅メダル“三本の矢”団結で日本のお家芸復活 個性派3人の切磋琢磨が結実

 銅メダルを手にする森重航(撮影・堀内翔)
 同じ少年団でスケートに打ち込んだ(手前左から)新浜と森重(写真は小村氏提供)
中学時代の森重(後列左から5人目)と小村茂監督(同2人目)=写真は小村氏提供
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 「北京五輪・スピードスケート男子500メートル」(12日、国家スピードスケート館)

 男子500メートルで銅メダルに輝いた森重航(21)=専大=は同種目8位の村上右磨(29)=高堂建設、20位の新浜立也(25)=高崎健康福祉大職=の先輩2人としのぎを削って急成長した。コロナ禍の中、3人それぞれの個性を発揮し合って刺激。強力な“三本の矢”が団結し、日本の“お家芸”で12年ぶり五輪メダルを奪還した。

 レース後、森重は「3人で来られたことで、安心してレースに臨めた。のびのびリラックスして滑れた」と振り返った。お家芸と言われながら2大会連続でメダルを逃していた男子500メートル。平昌五輪翌年に新浜が台頭すると、村上も急成長。刺激し合う土壌ができていたナショナルチーム(NT)に、森重は今季から加わった。

 NTでは陸上でも氷上でも細かいデータが示された。「練習で自分の限界値をこえようとイメージができた」と森重。才能は開花し、今季躍進を遂げた。

 先輩2人の存在は「ライバルというより3人で戦う意識が強い」と言う。選手村では3LDKを3人で使っており「励まし合っていた」と森重。リビングに集まり、食卓を囲む機会も少なくなかった。スタートダッシュが驚異的な村上、パワフルな滑りが武器の新浜、終盤の伸びが光る森重。個性的な3人が集まり切磋琢磨(せっさたくま)してきた。まさに同志だった。

 「誰か一人でもメダルをと思っていたので、自分が取れて安心した」と森重。第一人者としてけん引した新浜も「後輩が取ってくれた。日本男子としてよかった」。日本短距離界が一丸となり、戦い抜いた結果が3大会ぶりのメダル獲得につながった。

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