高梨沙羅 25日開幕のW杯大会出場に意欲 原田総監督「元気になった」
日本選手団の本部による中間記者会見が13日、北京市内のメインプレスセンターで行われた。原田雅彦総監督(53)は、7日のスキー・ジャンプ混合団体でスーツ規定違反により失格となり、失意のまま中国を後にした高梨沙羅(25)=クラレ=がすでに渡欧し、W杯ヒンツェンバッハ大会(今月25日開幕、オーストリア)に向けた準備に入っていると明らかにした。失格について、各国から検査体制などへの疑問の声が挙がっているが、伊東秀仁団長(60)は日本選手団としては抗議しない意向を示した。
高梨は混合団体後、自身のインスタグラムに「私の失格のせいで皆の人生を変えてしまったことは変わりようのない事実」と、メダルを逃したことへの悲痛な謝罪文を投稿。進退を検討する可能性まで示唆していた。
原田総監督は高梨のその後について、すでに中国を離れ、渡欧したとし「チームのみんな、国民の皆さまに励まされて元気になった。W杯に出場し、元気な姿をみせたいと思っていると思う」と、前向きにW杯ヒンツェンバッハ大会に向けた準備に入っていることを明かした。
混合団体を巡っては、高梨以外にも4人の女子選手が失格となり、検査体制や方法への疑問の声が上がっている。太もも回りが約2センチ大きかったとして失格となった高梨自身も全日本スキー連盟の聞き取りに対して、通常、飛躍後の検査ではスパッツをはいたまま太ももを測定されるが、スパッツを脱がされたことなど、通常の方法とは違う検査だったと主張している。
ただ、伊東団長は日本選手団としては抗議はしない意向を示し「現時点では選手、スタッフケアを最優先するという認識で(全日本)スキー連盟とも一致している。選手、スタッフに必要な支援があれば検討したいが、今すぐこのルールに対してわれわれが抗議することはない。スキー連盟を通して国際連盟に抗議することはないが、改善を求めていく可能性はある」と説明した。
自身もジャンプ選手だった原田総監督は「彼女の気持ちを考えると私も言葉がない。心のケアに全力でサポートしたい」と、精神ケアを最優先に行っていく方針を示した。