高木姉妹 転倒の姉を妹の美帆がかばう「もっと何かできた」菜那は号泣「やっぱり悔しい」
「北京五輪・スピードスケート女子団体追い抜き・決勝」(15日、国家スピードスケート館)
日本はカナダに敗れ、銀メダルとなった。
悲劇に見舞われた。序盤からリードを奪っていたが、最終コーナーで隊列の最後尾にいた高木菜那がバランスを崩して転倒。ラスト100メートルのところで、力尽きる形で勝負が決まった。
精一杯のレースだったが、高木菜は「ごめん」と両手を合わせると号泣した。レース後は「やっぱり最後、転ばなかったら優勝できたタイムだったので、やっぱり、悔しいです」と落胆し、転倒の原因については「まだ考えられてないです」と語った。
謝る姉に近づき、抱きしめたのが妹の高木美帆だった。隊列を作りスタミナも消耗するパシュートで転倒はつきものだが、「掛ける言葉は見つからなくて、そばにいくことしかできなかった。このパシュートで転ぶことはひとりにかかる思いが強くなることは理解していて。起きてしまったことはどうすることもできないもどかしさと、それをこれから背負う必要はないと思っていても、多分本人はそうはいかないのも長く過ごしていると感じる部分もあるので」と、姉の気持ちを慮った。
自身にとっては今大会3個目の銀メダル。「どの銀メダルも違う思いがあり、1500とは違う悔しさはありますね」としながら、「私の中では最初の段階でもっと何かできたんじゃないかという思いもある。チームにリズムを作ることができたんじゃないかっていうのもあったので。どう言葉に表していいか。気持ちの整理の時間が必要かな」と姉をかばった。
序盤からカナダとの差はわずかだった。佐藤も「自分たちがゴールしたところで、どういう差になっていたのか。本当に僅差になっていたと思うんですけど。美帆さんと同じく自分にも、前半の先頭に出たところだとか、後半の前の人のサポートとか、まだまだできた部分があったんじゃないかなって反省することができたので」と、高木菜と同じように責任を分け合った。
高木菜はレース後、妹の高木美帆が抱きしめて声をかけたが、ベンチに座った後も涙が止まらなかった。4人目のメンバーだった押切美沙紀からも涙があふれ、抱擁。最後はチーム全員で円陣を組んだ。