「北京五輪・フィギュアスケート女子・ＳＰ」（１５日、首都体育館）

　３０人による女子ショートプログラム（ＳＰ）を行い、坂本花織（２１）＝シスメックス＝が自己ベストの７９・８４点で３位につけた。ドーピング違反が発覚しながら出場可能となった１５歳のカミラ・ワリエワ（ＲＯＣ）が８２・１６点で首位に立った。アンナ・シェルバコワ（ＲＯＣ）が８０・２０点で２位。樋口新葉（２１）＝明大＝は７３・５１点で５位、河辺愛菜（１７）＝木下アカデミー＝は６２・６９点で１５位。ワリエワを含む上位２５人が１７日のフリーに進んだ。

　夢の舞台で高く高く跳んだ。冒頭のトリプルアクセル（３回転半ジャンプ）。五輪で決めた。演技を終えると胸の前で両手を握り合わせ、満面の笑み。「跳ぶことを目標にしていたので、挑戦できて良かった。スケートをやる中での一つの目標だったので、達成できてすごくうれしい」。誇らしげだった。

　ミスのない演技に見えたが、連続ジャンプで回転不足の判定を受けるなど細かいミスが出て、点数は伸び悩んだ。「跳べたことよりも悔しい」と言い「頭で考えて滑りすぎてしまった」と反省。トリプルアクセルは史上５人目の成功者だと聞くと「あまり気にしたことがなかったけど、１０人以内に入れて良かった」とはにかんだ。

　「五輪に出るためにはやっぱりアクセルが必要」。覚悟を決めて取り組んできた“宝刀”だ。昨季はなかなか決まらず、全日本選手権で７位と沈むなど苦戦が続いた。それでも今季に懸け、厳しい戦いを勝ち抜き迎えたこの舞台。フリーでも大技に挑む。「集中を切らさず、落ち着いて、でも思い切り滑りたい」。力強く飛躍する。