岩渕麗楽 4位も超大技挑戦 ライバルが敬意&称賛ハグ バッハ会長感動で腕時計贈呈
「北京五輪・スノーボード女子ビッグエア・決勝」(15日、ビッグエア首鋼)
ビッグエア決勝で、女子は村瀬心椛(ここも、17)=ムラサキスポーツ=が合計171・50点をマークし、同種目日本勢初のメダルとなる銅メダルに輝いた。岩渕麗楽(れいら、20)=バートン=は2大会連続の4位だった。
誰もが目を疑った。4位で迎えた岩渕の、3本目。逆転を期して選んだ技は、女子では史上初の「トリプルコークアンダーフリップ1260」。ひそかに用意してきた縦3回転を入れた超大技は惜しくも転倒したが、見る者の心を揺さぶった。
「また4位で悔しい気持ちの方が大きいが、最後チャレンジできて良かった」。前回と同じで表彰台まであと一歩だったが、残した印象は違う。他の選手が駆けつけ抱き寄せて敬意を表した。「転んだのにみんな褒めてくれて、すごくうれしい」と悔し涙を拭った。
痛みにも耐えた挑戦だった。前日の予選3回目で転倒した際、左手甲を骨折していたことを告白。「恐怖心もあったが、挑戦したい気持ちが強かった」。
大いに沸いた会場には、IOCのバッハ会長の姿もあった。岩渕の挑戦に感動したという同会長から、記念品として五輪モデルの腕時計が贈呈されるサプライズも。「見てもらえていると思わなかった…。もらえてうれしいです」。この日最もインパクトを残した20歳は、メダル以上の“勲章”を手にした。