【山崎勇亀の視点】女子ビッグエア決勝で村瀬が銅 1回目に安心感を得た
「北京五輪・スノーボード女子ビッグエア・決勝」(15日、ビッグエア首鋼)
ビッグエア決勝で、女子は村瀬心椛(ここも、17)=ムラサキスポーツ=が合計171・50点をマークし、同種目日本勢初のメダルとなる銅メダルに輝いた。
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この日は風があり、スピードが乗りづらいコンディションだった。踏み切りが合わず、回転の足りない選手が多かったが、女子の村瀬は安定していた。ビッグエアは精神面の影響が出やすい。1回目にある程度攻めながらも決めて、安心感を得られたのは大きかった。
岩渕は3回目の斜め軸の後方3回転宙返りが決まっていたら、メダルに届いていたと思う。飛びすぎて着地姿勢に入った時に雪面との落差が大きく、乱れた。
金メダルのガサーはスピードが違った。板をつかむグラブが長く、空中姿勢も安定し、着地も合わせた。他選手と同じ3回転でもグラブと着地で点差が開いた。3回目に逆スタンスから斜め軸の3回転半の大技を決めたのは、さすがだった。
男子の国武は難しい横回転技の割に点数が伸びなかった。大塚は2回目に全体で最高の95・00点をマークし、メダルも狙えただけにもったいなかった。蘇翊鳴はただ一人、5回転を2度決めたから優勝は当然だった。
高回転化が進み、グラブをして、もう片方の手で膝を抱える選手が多くなった。体操のように体を丸め、回りやすくするためだろう。そこまで競技性が強まると、格好良さなども競うスノーボードとしての形がなくなってしまうかもしれない。(プロスノーボーダー・山崎勇亀)