高木美帆 有終金へ「出せるものを振り絞る」 17日の1000mで5種目出場最後の挑戦
「北京五輪・スピードスケート女子1000メートル」(17日、国家スピードスケート館)
17日に実施されるスピードスケート女子1000メートルに向け、高木美帆(27)=日体大職=や小平奈緒(35)=相沢病院=が16日、会場のリンクで軽めに滑って最終調整した。前回大会は小平が2位、高木美が3位だった種目。それぞれ今大会の最終レースとなる。
念願の個人種目金メダルへ、最後のチャンスとなる。スピードスケート女子の高木美は17日の1000メートルが今大会注目された5種目出場の締めくくり。レースを重ねるごとに滑りを洗練させ、準備は整った。「長い挑戦の最後だ」と気持ちを込めてリンクに立つ。
ここまではドラマに満ちていた。最初の3000メートルは本来の躍動感を欠き、6位とまずまずの結果ながら不満が残った。続く1500メートルは優勝候補筆頭だったが、2大会連続の銀メダル。「悔しさが強く残る」と表情は晴れなかった。
だが主戦場でなく、無欲で挑んだ500メートルで流れを変えた。「渾身(こんしん)のレース」で自己ベストを塗り替え2位。「同じ銀メダルでも気持ちがこんなにも違うのか」と純粋に喜んだ。
新型コロナウイルス感染で離脱していたデビット・コーチの復帰も追い風になった。15日の団体追い抜き決勝は、姉の高木菜那(日本電産サンキョー)の転倒もあり2連覇を逃したが「この仲間と戦えたことは誇り」と胸を張った。
1000メートルは今季ワールドカップ(W杯)で優勝1度、2位が2度。頂点は視界に入っている。銀メダルの「意味をさらに上げる」のは金メダルだと自らに言い聞かせ、「出せるものを振り絞る」と完全燃焼を期す。