「絶望の会見」のち歓喜「今世紀最大ぐらいのサプライズ」 カーリング4強入り

スイスに敗れ、涙する藤沢五月(中央)=撮影・高部洋祐
第7エンド、ポイントを奪い喜ぶ吉田夕梨花(左)と藤沢五月(撮影・高部洋祐)
試合後、涙を流しながら吉田知那美(手前)と抱き合う藤沢五月(右)=撮影・高部洋祐
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 「北京五輪・カーリング女子・1次リーグ、日本4-8スイス」(17日、国家水泳センター)

 2大会連続となる準決勝進出を決めた、日本の選手たちは一様にスイスに敗れた時点で敗退が決まったと思い込んでいた。

 敗戦の瞬間、みんなで抱き合って涙。特にスキップの藤沢は中盤で失点につながるミスがあったこともあり、はっきりと泣いていることが分かるほどだった。テレビインタビューで順位が確定していないことを聞かされても、吉田知は質問の意図すら分からない様子で、落胆を隠せない様子だった。

 しかし、敗戦から19分後に韓国の敗退が決まり、日本の準決勝進出が伝えられると、歓喜の抱擁。今度はうれし涙を流して、その場に崩れ落ちた。

 リードの吉田夕は「まだ戦うチャンスがあるのは、すごくうれしいです」。セカンドの鈴木は「今世紀最大ぐらいのサプライズで驚いているんですけど、本当に終わったと思っていたので」と驚きを隠せなかった。

 選手達が混乱した理由は、順位決定がDSC(ドローショットチャレンジ)とよばれる数字での争いになったためと考えられる。各試合の第1エンドの後攻を決めるため、ハウスの中央を目がけて両チームが2投する「ラストストーンドロー」というものがあるが、この成績のうち、最も悪い2つを弾いた上での平均値が「DSC」。実際には最終戦を迎える前から、韓国か英国が負ければ、日本がスイスに負けても準決勝に進める状況は確定していたが、選手の間では負けを想定して詳細な数字を詰めていなかったと見られる。

 サードの吉田知は取材エリアで「JDコーチに言われた時に、そんなはずない。嘘だって(言いました)。でも本当だって言われて(笑)。まだ(知らせから)数分しかたっていないので、まだ気持ちの整理はついていないです」と偽らざる気持ちを口にした。「最後のゲームがこのゲームだと思い込んでいたので。絶望の会見をした後に、すごいビッグサプライズのニュースが入ってきて。「4年前もアンナ(スウェーデンのスキップ)たちにチャンスをもらったので、いいゲームで返したいなと思っています」と誓った。

 涙、涙の藤沢は「あー、なんでこんな大事な大事なオリンピックの試合でこんな負け方しちゃったんだろうっていうふうに思っていた」と振り返った。「こうやって神様が与えてくれた…神様というか、チームスウェーデンというか(笑)。与えてくれたすごくいいチャンスなので、自分たちらしく」と、技術面、精神面を磨き治して、準決勝以降に臨むとした。

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