ワリエワ号泣に米中継では「胸が張り裂けそう」 ただ出場には否定的「悲劇的事件」
「北京五輪・フィギュアスケート女子フリー」(17日、首都体育館)
昨年12月のドーピング検査で陽性反応を示しながら今五輪の出場を許可され、SP1位だったカミラ・ワリエワ(15、ROC)はミス連発で4位に沈んだ。
まさかの結末に米NBCのフィギュア放送チームが絶句した。金メダル大本命のワリエワが3度の着氷ミス。元フィギュア選手で解説のタラ・リピンスキー氏は「カミラらしくないミスですね」。演技後に号泣する15歳の姿に「これは衝撃ですね」とつぶやくと、もう一人の解説ジョニー・ウィアー氏も「胸が張り裂けそうだ」と言ったきり、言葉をつなぐことができなかった。
その一方で2人は抗議の姿勢を崩さなかった。中継の冒頭でワリエワの話題になると、リピンスキー氏は「本当に解説するのが難しい。私の中にいろんな感情があります」と、複雑な胸中を吐露。「一つはカミラを思う気持ちです。彼女はまだ15歳。周りの大人たちが間違っているのは明白です。彼らの判断や指導によって今の彼女があります。でも、その一方で彼女は出場してはいけないという考えは今も変わっていません。五輪のリンクに立つべきではない。陽性は即処分。これが五輪のクリーン・スポーツを守る唯一の方法です」と熱弁を振るった。
ウィアー氏も「カミラ・ワリエワはこの大会に出るべきではないと強く感じている」ときっぱり。「ドーピングにグレーゾーンはありません。検査に引っ掛かれば、出場できない。彼女がここにいるのは悲劇的事件です」と厳しい言葉で非難した。