坂本花織 未来予想図は地元・神戸で指導者 「中野組」支える

 キスアンドクライで、コーチの顔写真を貼ったうちわを手にする坂本花織(左)=撮影・高部洋祐
 コーチの顔写真を貼ったうちわを手に得点を確認する坂本花織(左)=15日(共同)
2枚

 「北京五輪・フィギュアスケート女子・フリー」(17日、首都体育館)

 25人による女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)3位の坂本花織(21)=シスメックス=が153・29点を出し、自己ベストの合計233・13点で銅メダルを獲得した。

 今大会のキスアンドクライで、坂本は常に2枚のうちわを手にしている。1枚はグレアム充子コーチ(62)、もう1枚は川原星コーチ(26)の写真入り。五輪帯同が中野コーチだけになると聞いて「おばあちゃんが作ってくれた」と明かした。

 自他共に認める「緊張しい」を支えるのが、4歳から指導を受ける中野コーチが中心のこのチームだ。拠点を置く神戸のスケートリンクは冬場だけの営業で、夏は毎年近隣リンクを渡り歩く。恵まれているとは言えない環境で坂本や四大陸女王の三原舞依らを育てた中野コーチは「うちは仲良く力を合わせる町工場。小さな町工場にたくさん仕事をいただいた」と話す。

 そんな恩師の背中を見続けてきた坂本の夢もまた指導者。プロになるのは「スポットライトが苦手」と言い、地元で「中野組」を支えていく未来図を描いている。(デイリースポーツ編集委員・船曳陽子)

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