バッハ会長 ワリエワ関係者を批判「まるで彼女を拒絶」「非常に冷ややかな雰囲気」
国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が18日、北京五輪のメインメディアセンターで記者会見を行った。フィギュアスケート女子でドーピング問題の渦中にありながら、前日のフリーまで出場したカミラ・ワリエワ(15)=ROC=について言及した上で、「彼女のアントラージュ(コーチらROC陣営)は非常に冷ややかな態度だった」と関係者を批判した。
ワリエワは前日のフリーで精彩を欠く演技となり、SPとの合計で暫定4位に沈んだ。バッハ会長は「彼女には想像できないほどの重圧が懸かっていた。本来ならリンクを離れたいと思ったかもしれない」と、騒動の渦中で最後まで滑りきった15歳に同情を寄せるとともに、「その後、彼女のアントラージュ(関係者)の反応は一見とても冷ややかな対応で、私も見てひやっとした。彼女をなぐさめるのではなく、非常に冷ややかな雰囲気。まるで彼女を拒絶しているようなボディランゲージをテレビで見た。こんなに(選手に)冷たい態度を取ることができるものなのか」と語気を強めた。
さらに、銀メダルのトルソワ(ROC)に対する冷遇の報道を目にしたという。「トルソワ選手に対する待遇など(の記事)を読んで、私が昨晩(ROC陣営に対して)持った印象は、残念ながら誤ったものではないと思った。(コーチらは)カミラ(・ワリエワ)に安心感をもたらすものではない」と非難。「未成年のアスリートをどう扱うべきかを考えたときに、家族、友人のサポートがあるべき。(今回の問題を)乗り越えられるように、彼女をサポートしてくれる人がいることを願うばかり」と話した。
また、ドーピング問題に関しては今後、WADA(世界アンチ・ドーピング機関)がROCのコーチや関係者を調査する。「WADAの調査で全ての事実が明らかになり、(禁止薬物摂取を)企てた者には説明責任が問われることになる。分かり次第、われわれ(IOC)も厳格で強いアクションを取る」と述べた。