転倒したワリエワを叱責 際立つコーチの異様さ「なぜ諦めたの?」
「北京五輪・フィギュアスケート女子・フリー」(17日、首都体育館)
ドーピング問題が発覚し、17日の演技で転倒を繰り返したカミラ・ワリエワ(15)=ROC=がリンクから戻った際に「どうして戦うのをやめたの?」と叱責(しっせき)するコーチの姿をカメラが捉え、指導の異様さが指摘されている。
ワリエワを含めたROC勢が拠点とするモスクワのスポーツクラブ「サンボ70」で世界王者を含む多くのトップ選手を育ててきたコーチのエテリ・トゥトベリゼ氏は、選手のわずかな体重変化まで管理するなどの厳しさで知られる。欧米メディアによると、演技を終えたワリエワに「説明しなさい。なぜ諦めたの?」などと詰問した。
一方、同コーチに師事したロシアの元世界女王メドベージェワさんはインスタグラムで「地獄が終わった」とドーピング騒動の中で戦い終えたワリエワを擁護した。
トゥトベリゼ氏の指導を受け、銀メダルだったトルソワ(ROC)も演技後「もう氷には上がらない。こんなやり方はあり得ない」と感情を爆発させた。団体でワリエワを重用したチームの方針への不満が噴出したとの見方が出ている。
トゥトベリゼ氏は練習場を「工場」、選手を「原材料」に例える。システム化した練習で鍛え上げた選手の技術は正確無比。一方で17歳の若さで競技活動休止に追い込まれたザギトワら選手寿命の短さでも知られる。
未成年のワリエワのドーピング問題では、トゥトベリゼ氏の関与の有無にも注目が集まっている。