羽生結弦「報われなかった今は報われなかった今で幸せ」【一問一答】
「北京五輪・フィギュアスケート・エキシビション」(20日、首都体育館)
各種目の上位選手らによるエキシビションが20日、首都体育館で行われ、男子で4位の羽生結弦(27)=ANA=は「春よ、来い」をしっとりと演じた。思いを込めたナンバーで北京五輪での演技を締めくくった。羽生との一問一答は以下の通り。
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-「春よ、来い」に込めた思いとは。
「いろいろ詰め込みすぎて、何がとは僕の口から言い切れないけど、本当に皆さんにこうして見ていただけるからこそ、こうやって滑ってこられたと思う。見ていただけるからこそ、僕の演技に何かしらの意味が生まれると思うので、皆さんに感謝したい」
-競技後の練習で過去のプログラムを滑った。どんな思いか。
「とにかく自分がやりたいことを、こうして見ていただける今だからこそできるすべてを、この五輪の地でやりたい気持ちが強くあった。本当に幸せな時間だったと思う」
-北京五輪はどんな大会になったか。
「いろんなことを深く考えさせられた。今まで、努力してもどうしようもない時期はたくさんあった。皆さんの記憶の中にある羽生結弦はソチ五輪、平昌五輪と成功している自分が多いかもしれないけど、僕はここまで競技を続けて、自分の中のどん底を何回も見てきた。そういう意味で今回、大人になって、人生って報われることがすべてじゃないんだなと。ただ、報われなかった今は、報われなかった今で幸せだなって。不条理なことはたくさんあるけど、少しでも前を向いて歩いて行きたい」