体操女子に激震 宮田笙子代表辞退で団体戦は「4人で戦わざるを得ない」と西村専務理事 怪我、病気以外での交代認められず

 会見冒頭で謝罪する(左から)原田睦巳日本代表コーチ、西村賢二専務理事、藤田直志会長、谷原誠弁護士、山口明彦弁護士
 緊急会見を行った日本体操協会・藤田直志会長(撮影・佐藤厚)
 会見冒頭で謝罪する日本体操協会・藤田直志会長(中央)と西村賢二専務理事(左)=撮影・佐藤厚
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 日本体操協会は19日、都内で緊急記者会見を行い、パリ五輪女子代表の宮田笙子(19)=順大=の代表を辞退したことを発表した。代表には16年リオ五輪、21年東京五輪代表の杉原愛子が帯同補欠を務めているが、怪我以外での交代は認められていないため、団体戦は4人で臨むことになった。

 西村専務理事は「五輪のエントリーのシステムとしての期日は過ぎている。その後の選手の交代については病気、怪我、ドクターの証明が必要。すでにJOCと協議しているが、今回は適さない。現時点では4人で戦わざるを得ない」と、説明した。

 60年ぶりの団体メダルを狙う女子だが、苦しい状況に追い込まれた。団体は予選は5人のうち各種目4人が演技し、上位3人の得点が採用される方式。決勝は5人のうち各種目3人が演技し3人の得点が採用される方式となっている。4種目をハイレベルでこなせる宮田は、要といえる存在だっただけに、予選通過すらも苦しい状況に追い込まれたといってもいい。

 宮田はすでにパリ五輪に向けて渡欧していたが、複数の関係者によると喫煙の疑惑が浮上し、代表行動規範に違反した疑いで、事前合宿地のモナコから帰国。協会の聞き取り調査を受けた。

 17日に報道陣に公開されたモナコ合宿で姿がなく、日本体操協会の田中光女子強化本部長は「事情により今日は参加していない」として詳細は明らかにしなかった。

 宮田は今季、全日本選手権、NHK杯を制した女子のエース的存在で、1964年東京五輪以来となる団体メダルを狙う女子代表に激震が走った。21年東京五輪後に台頭し、初出場だった2022年の世界選手権で平均台銅メダル、個人総合8位と活躍。全員が初出場の代表の中心選手として期待がされていた。宮田はパリ五輪に向けて「エース兼キャプテンとして重大な責任がある。明るく日本を引っ張っていけたら」と話していた。

 チームは19日にパリの選手村入りし、28日の予選に出場する。

 ◆宮田笙子(みやた・しょうこ)2004年9月21日生まれ。京都府出身。中学3年で鯖江市内の中学に転校し、鯖江高を経て現在順大2年生。24年全日本個人総合選手権で初優勝。NHK杯は24年大会に3連覇を達成。世界選手権は22年に種目別平均台で銅メダルを獲得。得意種目は床運動と跳馬。床運動では村上茉愛さんも決めたH難度の「シリバス」を持つ。座右の銘は「脚下照顧」。151センチ。

 ◇体操日本女子代表

 岸 里奈(16)=戸田市SC=

 岡村 真(19)=相好ク=

 中村遥香(16)=なんばク=

 牛奥小羽(19)=日体大=

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