パリ辞退で宮田笙子は憔悴 きっかけは「通報」だった わずか5日間で協会即断 否定的な意見も重視された「体操ニッポン」の称号

 日本体操協会は19日、都内で緊急記者会見を行い、パリ五輪女子代表の宮田笙子(19)=順大=が喫煙と飲酒行為により代表を辞退したことを発表した。

 パリ五輪開幕まで1週間を前に、日本体操界に大激震が走った。事態が急変したのは15日。きっかけは強化本部への「通報」だった。16日に原田コーチが本人に確認し、疑いが浮上。重大な「代表行動規範違反」となる可能性が発生したため17日に帰国指示、18日夕方には帰国したという。その後、規定や規範などに違反する事実を確認。日本協会と本人の話し合いの結果、五輪への出場辞退に至った。

 この間、わずか5日。SNSなどで「辞退までしなくても」と擁護する声もある一方で、宮田は19歳で看過できる行為ではない。

 さらに、協会が重視したのは「体操ニッポン」の称号。「日本代表選手・役員の行動規範」では、冒頭に【趣旨】として「『体操ニッポン』という称号は長い栄光の歴史の中で、先人たちの競技成績だけでなく行動により培われたものである。一部の選手や役員の行動により、先人たちが築き上げた栄光の歴史を汚す行為は決して許されない」と記されている。

 体操男子チームは団体総合で60年ローマ五輪から5連覇を果たすなど、日本の「お家芸」に。その伝統、歴史は重く、協会も通報からわずか5日での即断に至った。

 行動規範には「日本代表チームとしての活動の場所においては、20歳以上であっても原則的に喫煙は禁止する」、「日本代表チームとしての活動の場所においては、20歳以上であっても飲酒は禁止とする」とある。

 宮田は6月末から7月にかけてプライベートでの喫煙行為、6月末から7月はじめにかけて、ナショナルトレーニングセンター(NTC)のアスリートビレッジの居室内で飲酒行為があったとし、これらが決定打になった。

 聞き取りを行った西村専務理事によると、宮田は「事前合宿から相当神経を使い、かなり憔悴した状態だった」という。所属の順大・原田監督は「最初にこのような事態を招きまして、所属の監督として大変申し訳なく思っております。五輪を夢みて、トレーニングを頑張っていた。軽率な行動を反省しているかと思う」と涙。夢にまでみた舞台を目前に、関係者にとっても苦渋の決断となった。

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