宮田笙子はプレッシャーと戦い苦しそうにしていた 五輪を辞退した19歳エースの素顔とは

 日本体操協会は19日、都内で緊急会見を開き、パリ五輪の日本女子代表主将でエースの宮田笙子(19)=順天堂大=が、五輪出場を辞退したと発表した。未成年ながら6月末から7月にかけて喫煙と飲酒と行い、日本オリンピック委員会(JOC)が定める「国際総合競技大会派遣規程」と、日本体操協会の「日本代表選手・役員の行動規範」に違反したため。憧れの舞台を自らの不祥事で辞退した宮田の素顔を担当記者が明かす。

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 19歳にして女子のエース。その両肩にはかなりの重圧がのしかかっていた。東京五輪を境に、日本をけん引してきた村上茉愛さんらが引退。歴史あるバトンを託され、たびたび苦しそうにしていた。

 世界切符がかかっていた23年4月の全日本個人総合選手権では、右かかとの疲労骨折を抱えていた。医者に「このまま続けたら体操ができなくなる」と言われた中で「多くの人から『代表に絶対入らないといけない』と言葉があって、プレッシャーになっている部分があった。そこがつらい」と涙ながらに訴えた。

 ここ数年、女子ではトップ選手にけがが相次いだ影響もあり、22、23年の世界選手権とパリ五輪に、3年連続で代表入りした選手は宮田しかいない。パリ五輪代表は宮田が最上級生。主将としてエースとして、逃げ道を探してしまったのかもしれない。

 座右の銘は「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」。かつて「名前にかけてないです」と笑いながら「人のことを言う前に自分の足元を見るみたいな感じ」と説明した。五輪辞退は賛否が分かれる重い決断となったが、自身の行動の結果でもある。足元を見つめ直し再起につなげてほしい。(デイリースポーツ体操担当・田中亜実)

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