体操女子・宮田笙子の五輪辞退に順大が異論「出場あり得た」謝罪の一方「本人が負う社会的ペナルティーの重さへの懸念」

 体操女子でパリ五輪代表だった宮田笙子(19)=順大=が喫煙と飲酒による日本体操協会の行動規範の違反で、同五輪代表を辞退したことを受けて、所属する順大は19日付で公式ホームページで声明を発表した。問題について謝罪する一方で、「本人の真摯(しんし)な反省を前提に十分な教育指導をした上で、出場することもあり得ると考えていた」と、異論を唱えた。主将の宮田を欠き、4人で団体戦を戦うことになった女子代表は19日にパリ入りし、20日に初練習を行った。

 パリ五輪を目前に“お家芸”を襲った騒動の余波が広がっている。19歳の宮田が飲酒と喫煙を認めてパリ五輪代表を辞退した問題で、所属先の順天堂大は19日付の声明で「常習性のない喫煙であれば、本人の真摯な反省を前提に十分な教育指導をした上で、出場することもあり得ると考えていた。辞退という結果には、本人が負う社会的ペナルティーの重さへの懸念から、誠に残念な思い」と、異論を唱えた。

 日本体操協会は宮田選手への聞き取り調査を踏まえ、同選手の両親も同席した場で「話し合いの中で辞退するという結論に至った」と説明していた。大学側は18日夜に行った事情聴取で「友人宅で喫煙したことがあるとの事実は認めた」としつつ、日本協会が行動規範違反などを重く見た判断には「教育的配慮の点から」懸念を表明した。

 「五輪出場という大きなストレスを抱えていたとしても、行為自体は認められるものではない」とも指摘し「指導に至らない点があったことは事実で猛省する。再起に向けて全面的に指導およびサポートをしていく」との方針を示した。

 本人の落ち度があったとはいえ、同様事例の処分は競技によっては厳重注意で終わることもあり、競技団体によって差があるのも事実。SNS上でも有識者を含めて賛否は分かれており、大学側の声明はさらに波紋を広げる可能性がある。

 以下、順天堂大学の声明本文。

 「本学スポーツ健康科学部に在籍する学生宮田笙子につきましては、この度、日本体操協会の『日本代表選手・役員の行動規範』に抵触する喫煙・飲酒行為が明らかになったものとして、パリオリンピック体操競技出場辞退という結果に至りました。本学としては本件を誠に遺憾とすると同時に、皆様方には多大なご心配・ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

 本学は、18日夜に本人より事情聴取を行い、本人は友人宅で喫煙したことがあるとの事実は認めておりました。20歳未満の者は喫煙してはならないことは言うまでもなく、また、上記日本体操協会の行動規範にも抵触する行為ですので、たとえオリンピック出場という大きなストレスを抱えていたとしても、その行為自体は認められるものではありません。

 しかしながら、宮田選手は今回の行為を深く反省しており、これまで日本代表のリーダーとして真剣かつ真摯に練習に取り組み、大会に出場することを強く願っておりました。また本学としては、当該選手に対する教育的配慮の点から、常習性のない喫煙であれば、本人の真摯な反省を前提に十分な教育指導をした上で、オリンピックに出場することもあり得ると考えておりました。

 したがって、この度のオリンピック出場辞退という結果には、本人が負う社会的ペナルティーの重さへの懸念から、誠に残念な思いでおります。

 勿論、本学における学生指導に至らない点があったことは事実であり、この点については猛省するところであります。一方で本人も深く反省していることから、本学としては今後の再起に向けて本人を全面的に指導及びサポートをしていく所存です。

 2024年7月19日 順天堂大学」

関連ニュース

パリ五輪最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス