かなり高まった決勝トーナメント進出の可能性 ポテンシャルが高く、選手層も厚いチーム 福西崇史氏の分析

 パラグアイに勝利し、この日2得点の藤尾翔太(9)とタッチを交わす藤田譲瑠チマ(8)=撮影・中田匡峻
 試合後、藤田譲瑠チマ(8)に笑顔でインタビューをする内田篤人氏(撮影・中田匡峻)
 後半、交代となった山本理仁(7)、三戸舜介(14)を迎える大岩剛監督(中央)=撮影・中田匡峻
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 「パリ五輪・サッカー男子・1次リーグ、日本5-0パラグアイ」(24日、ボルドー競技場)

 1次リーグD組初戦で、日本はパラグアイに5-0で大勝した。MF三戸舜介(スパルタ)とFW藤尾翔太(町田)が、ともに2得点。MF山本理仁(シントトロイデン)が1得点した。1次リーグは16チームが4組に分かれて、各組上位2チームが準々決勝に進出。日本は第2戦でマリと対戦する。好スタートを切った一戦を、2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表の福西崇史氏が分析した。

  ◇  ◇  ◇

 大きなリスクを負わず、自分たちのやりたいサッカーができた。2得点した三戸はいい場所にいたし、そもそも斉藤とのコンビネーションがいい。左サイドが、相手にとって嫌な起点になっていた。

 斉藤がボールを持てることで、三戸が前に出られる時間ができた。左サイドの崩しが得点につながったところもあり、しっかりと決めた三戸の1点目が大きかった。細谷がブロックしていたから、ニアサイドをぶち抜くか、ファーサイドに狙ってけるかの選択で、落ち着いてプレーできたはずだ。

 藤尾も2得点したが、途中出場した選手がこれだけ活躍すると、ほかの選手への刺激にもなる。ゴールは彼の特徴でもある、がむしゃらに得点を狙っていくという良さが出た。裏を狙ったチームの5点目といい、セットプレーで飛び込んだチーム4点目も持ち味が出ていた。得点以外でも、プレッシャーをかけたり、ボールをキープする場面で良さを出せていた。

 この一戦を前に半田の離脱が発表されたものの、その影響は見られなかった。西尾を左サイドバックで使ったのは、彼のコンディションを上げることもそうだが、サイドの守備固めとしての可能性もあるから。1回試すことができたのは大きい。

 このチームのポテンシャルは高い。そして選手層も厚い。斉藤や三戸を余裕を持たせながら交代させることができた。そして交代した藤尾らが、しっかりと活躍できるのは選手層の厚みと言える。

 オーバーエージがいないものの、そのことで結束力がさらに高まる側面はある。一人一人がチームのために、という絆が生まれる。自分たちで責任を持ってやらざるを得ない状況だし、集中力や責任感を持って戦えるというメリットはある。

 これで決勝トーナメントに進出する可能性は、かなり高まった。5点を取った自信もつく。重要だった1戦目に勝ち、安堵(あんど)感も得られた。ただ、これで大丈夫だ、と思わないこと。怖いのは油断。次のマリ戦も、今の勢いで臨んでほしい。

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