非常に大きい2連勝での準々決勝進出 休ませながら戦えることはチームとしていい傾向 福西崇史氏の分析

 「パリ五輪・サッカー男子・1次リーグ、日本1-0マリ」(27日、ボルドー競技場)

 日本はマリに1-0で勝ち、2連勝で準々決勝進出を決めた。後半、MF山本理仁(シントトロイデン)が先制し、守備ではGK小久保玲央ブライアン(シントトロイデン)の好セーブなどで完封勝ちした。日本時間31日ではイスラエルと対戦する。2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表の福西崇史氏が分析した。

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 ペースを握りつつも、後半にマリがギアを上げてきて我慢する時間があった。よくしのいだというゲーム。前半はボールをキープできて、回しながら自分たちのペースでいき、相手のカウンターを守備で防げた。後半は向こうのテンポが上がった分だけ、守備の抑えどころが決まらなかった。マリがうまかったのもあるが、ペースが握れなかった。

 そういう中で得点した場面は、まずは細谷が頑張った。それを信じてほかの選手も上がったが、三戸が前でつぶれた分だけ、佐藤がシュートを打てた。もう一つは山本があそこまで上がってきたことだ。守備で我慢しなくてはいけない中、中盤の選手がいくのは結構きつい。そこをいったから得点を取れた。よく頑張った。みんなの意思統一がはかれていた。

 小久保も光っていた。ディフェンスラインでボールを回すときは余計な怖さがある中、小久保を使って組み立てられた。攻撃の組み立てに一人入ったところも良かった。ビッグセーブも非常に大きな流れにつながった。

 彼は元々高さがある。判断が多少遅れる部分は多かったけど、その面が成長した。こういう緊張感がある中で試合に出続けて、判断が速くなった。技術面でもビッグセーブのところは、低い位置は止めるのは難しいが、しっかり止められたのは成長の部分。山本も良かったから、どっちをMVPにしてもいい。

 チームとしても、3月にマリに負けていた経験がかなり生かされていた。足が出てくるとか、体が強いとか、予備知識はあった中で対応ができていた。抜かれたからいこうではなく、抜かれるからいこうという準備ができていた。

 そして藤田が素晴らしい読み、予測をしていて、抑えどころをしっかり抑えていた。そして高井や西尾、1戦目でいえば木村が相手に起点を作らせていない。みんなが良さを出していることが結果につながっている。

 2連勝で準々決勝進出を決めたが、トーナメントになると一発の怖さがある。守備のミスとか、マークのずれとか、一つずつの出来事が大きくなってしまう。1点が重くなってしまう。そこはトーナメントの怖さだ。

 ただ、これでイスラエル戦は休ませることができる。これが非常に大きい。選手たちの緊張感を緩めることができるし、体力的にも休めるからだ。その辺りはトーナメントを戦う上で、いい時間にできる。休ませながら戦えることは、チームとしていい傾向にある。

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