「柔道精神に反する行為になりかねない」と異例の苦言 柔道解説の穴井隆将氏が永山締め続けた相手に「うやむやにしてはダメ」

 男子60キロ級準々決勝でスペインのガルリゴスに攻められる永山竜樹(提供・共同通信社)
 スペインのフランシスコ・ガルリゴスに敗れ、審判を見つめる永山竜樹(共同)
 スペインのフランシスコ・ガルリゴスに攻められる永山竜樹(共同)
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 「パリ五輪・柔道男子60キロ級・準々決勝」(27日、シャンドマルス・アリーナ)

 永山竜樹(28)=SBC湘南美容クリニック=が準々決勝で敗れたが、敗者復活戦を勝ち上がり、3位決定戦にも勝利。銅メダルを獲得した。

 しかし、準々決勝の23年世界王者のガルリゴス(スペイン)戦では、絞められている体勢でいったんは審判から「待て」がかかったものの、なぜかその後も6秒間も絞められ続け、失神。主審はガルリゴスが片手絞めで一本勝ちしたと判定した。

 ガルリゴスはその後、準決勝で敗れ、3位決定戦に勝利し、永山と同じ銅に。しかし、中継で解説を担当した2010年の世界選手権100キロ級で金メダリスト、穴井隆将氏は試合後、永山戦での対応に苦言を呈する異例の展開となった。

 「主審の『待て』の声が聞こえていたのか、聞こえていなかったのか、本人にしか分かりませんが、待てがかかったあとは手を離さなければいけません。そういったところは柔道精神に反する行為になりかねませんので」とピシャリ。

 「今後のためにも、オリンピックのメダリストになったので、なおさら、苦言を呈しておきたいと思います。聞こえなかった可能性もあるので、そこはなんとも言えませんけど。お互いにとっても後味が悪いことにはなりたくないので。3位を心から祝福したいので、今後の試合の中で、同じような場面になった時には、同じようなことがあってはならない」と3位になったからこその指摘を強調した。

 穴井氏はさらに「うやむやにしてはダメだと思う。仕方ないじゃないかとか、人が人を裁いているんだからとかではなくて、防ぐべき手だてはあったと思う。それをしない限り、抑止力にならない」とも。最後は「ただ、ガルリゴス選手も見事な3位でした」とたたえていた。

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