阿部一二三が合わせ技一本で4強入り メダル王手 妹・詩敗退の動揺感じさせず 2度鼻血のアクシデントも乗り越える

 「パリ五輪・柔道男子66キロ級・準々決勝」(28日、シャンドマルス・アリーナ)

 阿部一二三(パーク24)は世界ランク7位のエモマリ(タジキスタン)に合わせ技一本勝ちで準決勝進出を決めた。メダルに王手をかけた。

 開始41秒で袖釣り込み腰で技ありを奪った。中盤以降に攻防の中で相手の足が顔に当たるなどで2度鼻血を出すアクシデントはあったが、止血後に大内刈りで技ありを奪い、試合を決めた。

 初戦はボングラーツ(ハンガリー)に合わせ技一本勝ち。開始25秒で背負い投げで技ありを奪うと、59秒で袖釣り込み腰で技ありを奪い、決めきった。初戦の直前に兄妹2連覇を誓い合った妹の詩がまさかの敗戦。動揺もあったはずだが、それでもしっかりと兄としての威厳を示ている。

 阿部一は兄妹連覇を懸けて臨む五輪。21年の東京五輪で金メダル獲得後は、圧倒的な強さを示してきた。22年10月の世界選手権でも妹・詩と18年以来、世界選手権では2度目となる兄妹同時制覇を達成した。

 翌23年5月の世界選手権でも詩との世界選手権では3度目の兄妹同時制覇と柔道界をけん引。その実績から、同年6月には採決なしでの承認で五輪代表へ選出された。

 本戦へ向けて阿部一は「必ず兄妹での2連覇を達成する。この大会に向けて3年かけてやってきた。かなり成長した」と話していた。

 ◆阿部一二三(あべ・ひふみ)1997年8月9日、兵庫県神戸市出身。兵庫・神港学園高2年だった2014年に男子史上最年少の17歳2カ月で講道館杯全日本体重別選手権を制した。日体大に進学し、16、17年に全日本選抜体重別選手権で2連覇。17年世界選手権で初出場優勝を果たし、18年に2連覇を達成。21年東京五輪で妹の詩と兄妹同日金メダルの快挙。22、23年世界選手権も制した。得意技は背負い投げ。168センチ。

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