「パリ五輪・柔道女子５７キロ級・準々決勝」（２９日、シャンドマルス・アリーナ）

　初出場の舟久保遥香（２５）＝三井住友海上＝は準々決勝でシジク（フランス）と対戦。開始９秒で敗れ、敗者復活戦へ向かうことが決まった。

　いきなり足技に屈し、ぼうぜんの表情を浮かべた舟久保。開始９秒でまさかの一本負けとなった。畳を降りると厳しい表情を浮かべて引き揚げた。会場はシジクへの大歓声で沸き返る中、足早に舞台裏へと向かった。

　１回戦、２回戦と延長戦にもつれ込む戦いになりながら、無尽蔵のスタミナで厳しい戦いを勝利してきた舟久保。準々決勝では相手が母国・フランスの選手とあって完全アウェーとなる中、まさかの展開となった。

　寝技を得意にしているが、これまで世界選手権は２２、２３年と２大会連続銀メダル。あと一歩で涙をのんできた。五輪では１２年ロンドンの松本薫以来の頂点を目指し、パリへ出発前の取材では「今までで一番いい状態。仕上がっている。泥くさくしぶとく」と絶好調宣言していた。

　◆舟久保遥香（ふなくぼ・はるか）１９９８年１０月１０日生まれ、山梨県出身。富士学苑高卒業後、三井住友海上に所属。２２、２３年世界選手権２位。１６２センチ。得意技は寝技で「舟久保固め」と呼ばれる固め技を持つ。