「五輪の魔物」日本のヒロインに容赦なく…世界2連覇の選手団旗手・江村美咲が敗退 韓国選手に完敗 阿部詩に続き金候補無念 V候補苦戦続く

 「パリ五輪・フェンシング女子サーブル個人・3回戦」(29日、グランパレ)

 女子サーブルで世界選手権2連覇の江村美咲(25)=立飛ホールディングス=が崔世彬(韓国)に7-15で敗れ、まさかの3回戦敗退となった。

 江村は第1ピリオドは序盤、一進一退だったものの、徐々にリードを許して4-8で折り返した。第2ピリオドも取り返せなかった。

 「五輪の魔物」は容赦なく世界選手権2連覇の日本選手団の旗手を襲った。江村は初戦から苦戦。オレナ・クラバツカ(ウクライナ)と対戦し、15-14で辛勝ながらも3回戦へ進んだが、3回戦で韓国選手の飲み込まれた。

 初日から日本勢を“五輪の魔物”が襲っている。大会初日は世界ランク2位で52年ぶりの金メダルへの期待が高まっている男子バレーが世界ランク11位のドイツに敗戦。卓球混合ダブルスでは東京五輪に続く日本勢連覇を狙った早田ひな、張本智和組が北朝鮮ペアに完敗し、初戦敗退を喫した。

 男子60キロ級の永山竜樹は「待て」がかかった後にも絞め続けられ、不可解判定で失神一本負け。体操ではメダルラッシュの期待がかかる男子がまさかの不調。エースの橋本大輝は鉄棒の着地で転倒し、種目別2連覇を逃したほか、金メダル候補とみられていた谷川航の跳馬も決勝進出を逃した。

 2日目には柔道女子52キロ級で2連覇を狙った阿部詩が2回戦で世界ランク1位のケルディヨロワ(ウズベキスタン)と対戦し、まさかの一本負けに終わり、連覇の夢が絶たれた。阿部詩が負けたのは棄権を除けば、19年11月のGS大阪決勝でのブシャール以来約5年ぶりの敗戦とだった。

 今大会は開会式で、ブレイキン男子の半井重幸(ダンサー名・SHIGEKIX)とともに日本選手団の旗手を務め、セーヌ川を船で下った。大役から中2日で迎えた本番だった。

 21年東京五輪では団体で5位入賞、個人は3回戦敗退と、メダルには届かなかった。今大会は個人と団体二つの金メダルを目指し「逃げたくなる自分に打ち勝ちたい」と意気込んで臨んでいた。

 ◆江村美咲(えむら・みさき)1998年11月20日、大分県出身。東京・大原学園高(現大原学園美空高)から中大に進学。立飛ホールディングス所属。父・宏二さんはソウル五輪フルーレ日本代表。東京五輪は個人で2回戦敗退、団体は5位。22年カイロ、23年ミラノ世界選手権個人で金メダルを獲得した。170センチ、60キロ。

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